特別企画■鼎談
いま,市中病院の総合診療科では
井村 洋
1
,
袴田 康弘
2
,
青木 誠
3
1麻生飯塚病院総合診療科
2静岡県立総合病院総合診療科
3国立東京医療センター総合診療科
pp.667-674
発行日 2000年7月15日
Published Date 2000/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903042
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病院における総合診療部門の誕生
青木 最初に,わが国の総合診療部門誕生までの流れを簡単にまとめさせていただきます.
第1に医学・医療の専門分化の傾向が上げられます.細分化された医学教育を受けた医師が,日本の医療を担う時に生じるトラブルへの危惧が,1970年,当時の日本医師会武見太郎会長らから提起されました.他方,病院の管理者からも,専門化された診療体制の問題点が指摘されました.病院管理者の危機感の一つの現れが,天理よろづ相談所病院での総合病棟の設置です.これは主に,専門細分化した内科系の診療体制のもとで,診療科を決められない患者や複数の疾患を持つ患者の診療に支障を来すという弊害を是正するために1976年に置かれました.
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