特集 帰してはいけない「こども」を見逃さないために
【各症状へのアプローチ】
リンパ節腫大
佐々木 秀樹
1
1川崎協同病院小児科
キーワード:
リンパ節腫大
,
全身状態
,
随伴症状
,
局所所見
,
鑑別診断
Keyword:
リンパ節腫大
,
全身状態
,
随伴症状
,
局所所見
,
鑑別診断
pp.348-350
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103180
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Case
当初,化膿性リンパ節炎との鑑別が困難であった不全型川崎病
症例:3歳,男児.
現病歴:2日前からの発熱と頸部痛で当院外来を受診.体温39.9℃で疼痛のため首を動かすことができず,直径25~30mmの圧痛を伴う腫瘤を右頸部に触知.咽頭発赤があり,好中球優位の白血球増多とCRP高値を認め,化膿性リンパ節炎の疑いで入院,咽頭での溶連菌迅速検査が陽性であったことを考慮し,AB-PC/SBTで治療を開始した.翌日に両側大腿部に紅斑が出現し,頸部超音波検査では両側に腫大した多数のリンパ節を認めた.その後も発熱,白血球増多とCRP高値が続き,第5病日にはAST,ALTの軽度増加,アルブミンの低下傾向も認めたため不全型川崎病と診断.γ-グロブリンとアスピリンの治療により速やかに解熱して第12病日に退院.心臓超音波検査では経過中もその後も冠動脈拡張などの異常は認められなかった.
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