総合外来
第5中足骨骨折の保存的治療
齋藤 篤
1
1さいとう整形外科
pp.774-778
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100160
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◆第5中足骨骨折のうち,大半を占めるのは結節部骨折である.また,真のJones骨折,Jones骨折と呼ばれる疲労骨折,Dancer骨折と称される遠位骨幹部骨折も多い.中高年に多くみられるこれらの骨折の治療には,和式生活に適した足底板による保存的治療が有用である.
第5中足骨骨折は,足部の外傷では足関節の捻挫とともに日常診療でよく遭遇する骨折の1つである.
わが国では古くから,下駄の鼻緒が切れて“内返し(内転と内反)”を起こして足を捻ると,第5中足骨の起始部がよく骨折することから“下駄骨折”,または“下駄履き骨折”と呼称されてきた.しかし,欧米ではダンス中に足を捻ることに起因する,足部外側の第5中足骨の同様部位の骨折は“dancer's fracture”と呼称されている.1902年に英国のJones医師により,ダンス中に受傷した彼自身の第5中足骨骨折を含めて,外力によらない近位部の骨折があることが報告された.その後,この部位の骨折はJones骨折といわれるようになった.難治性のものが多く,とくにスポーツをする競技者には観血的療法が螺子固定などにより行われている1).近年は,スノーボードによる外傷や,クラシックバレエのダンサーにみられる第5中足骨骨折の遠位骨幹部の骨折にも注目されるようになっている.
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