特集 知っておくべき高齢者の評価法
各論
手術リスク評価法―E-PASS,APACHE Ⅲ
芳賀 克夫
1
1国立病院機構熊本医療センター・臨床研究部
キーワード:
術後死亡率
,
アウトカム
,
リスク評価
,
外科手術
,
予測モデル
Keyword:
術後死亡率
,
アウトカム
,
リスク評価
,
外科手術
,
予測モデル
pp.914-916
発行日 2011年11月15日
Published Date 2011/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102340
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Case
患者:89歳,女性,胃がん.
病変:胃体下部の0(Ⅱc)病変で,術前深達度診断がsmと判断された.術前の画像診断では,明らかなリンパ節転移や肝転移は認めなかった.
併存症:糖尿病と狭心症があるが,術前の心エコー検査で心機能は保たれていた.また,患者は脳梗塞の既往もある.
術前状態:右半身不全麻痺を認め,院内は車椅子で移動し,ベッドへの移動も介助が必要な状態だった(Performance status 3).麻酔科医はASA術前状態分類を3と判定していた.
術前リスク評価:mE-PASSを用いると,この患者の術前リスクスコアは,1.04となり,かなりリスクが高いことがわかる.この患者に胃がん治療ガイドラインで定める幽門側胃切除術(D1+郭清)を行った場合は,在院死亡率は8.7%と予測される.一方,リンパ節郭清を省略した腹腔鏡下胃局所切除術を行った場合は,在院死亡率は6.5%と予測される.
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