JIM臨床画像コレクション
蝶形骨洞炎のCT像
木村 琢磨
1
,
青木 泰子
1
,
鄭 東孝
1
,
青木 誠
1
1国立病院東京医療センター総合診療科
pp.676
発行日 2000年7月15日
Published Date 2000/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903043
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頭痛は外来診療のcommon problemであるが,くも膜下出血や細菌性髄膜炎に代表される危険な頭痛の鑑別がまず重視され,頭部CTや髄液所見に異常がないと等閑視することも多い.今回,筆者らは患者の訴えの重要性を再認識した頭痛症例を経験した.
症例は47歳,男性.湿性咳轍が出現した1週間後頃より.左側頭部より眼球後部にかけての過去に経験したことのない激しい頭痛を自覚.近医で鎮痛剤を処方されたが軽快せず,当科へ入院となった.経過中に鼻汁,後鼻漏,発熱はない.入院時,体温38,3℃,脈拍90回/分,呼吸数12回/分,血圧158/95mmHg.軽度の咽頭発赤を認めたが項部硬直,Kernig徴候,うっ血乳頭,頬部叩打痛を認めず.白血球14,400/μl,CRP9.6mg/dl.胸・腹部,副鼻腔レントゲン,頭部単純CTにて異常所見を認めず.髄液は水様透明で細胞数も正常であった.血液,尿,髄液,咽頭粘液の各種培養を施行し,抗生剤の投与を開始した.
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