胃と腸 49巻3号 (2014年3月)

今月の主題 消化管アミロイドーシスを見直す

序説

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 はじめに

 アミロイドーシスは,線維構造をもつ特異な蛋白であるアミロイド物質が諸臓器に沈着することによって,臓器の機能障害を来す疾患群である.その沈着様式によって,全身性と限局性のふたつに大別される.消化管への沈着は主に全身性アミロイドーシスにおいて認められ,消化管運動障害や粘膜血流障害を生じるために,さまざまな腹部症状を生じる.過去に,本誌で消化管アミロイドーシスの特集号が企画されたのは,22巻11号(1987年)「消化管のアミロイドーシス(1)」と23巻2号(1988年)「消化管のアミロイドーシス(2)」においてである.当時用いられていたアミロイドーシスの分類は厚生省調査研究班(1975年)のもので,(1) 原発性アミロイドーシス,(2) 多発性骨髄腫に合併するアミロイドーシス,(3) 続発性アミロイドーシス,(4) 分類困難なアミロイドーシス,(5) 遺伝性アミロイドーシス,(6) 限局性アミロイドーシスに分類されていた.現在,アミロイドーシスの分類は改訂が加えられ,沈着するアミロイド蛋白の種類によって病型分類されている(Table 1).これらのうち,消化管に沈着するアミロイド蛋白はAL(amyloid-light chain)型,AA(amyloid A)型,TTR(transthyretin)型,Aβ2M(amyloid β2 microglobulin)型の4種類と言われている(Table 2). 過去に本誌で提示された消化管アミロイドーシス症例は,アミロイド蛋白の種類が記載されていないものも少なからずあるが,記載されている症例はすべてAA型とAL型であった.これについては現在でも同様で,消化管アミロイドーシスにおいて,沈着しているアミロイド蛋白の種類は圧倒的にAA型とAL型であり,他の型であるATTR(amyloidgenic transthyretin)やAβ2Mが沈着した消化管アミロイドーシスの症例報告はほとんどみられないのが現状である.

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要旨 アミロイドーシスは,アミロイドと呼ばれる細線維性蛋白が全身の諸臓器へ沈着して,臓器障害を来す疾患の総称である.本疾患は前駆蛋白質の化学的性状と,全身性か限局性かにより分類される.限局性アミロイドーシスは沈着局所に障害を来すが,患者の生命予後は良好である.消化管,特に胃・十二指腸とS状結腸・直腸は限局性アミロイドーシスで侵されやすい部位である.全身性アミロイドーシスは,心臓,腎臓,消化管,末梢神経などを障害して,生命予後が不良な疾患である.しかし近年,本疾患では体内におけるアミロイド前駆蛋白の産生を阻止する治療により,いったん沈着したアミロイドが患者体内から退縮することが見い出され,根治療法への道が開けてきた.

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要旨 消化管はアミロイドーシスに侵されやすいため,その確定診断に消化管生検が有用となることが多い.消化管にみられる主な全身性アミロイドーシスは,続発性/反応性AAアミロイドーシス,原発性あるいは骨髄腫合併ALアミロイドーシス,老人性全身性アミロイドーシスの3種類である.各アミロイドーシスは特有の病態を有し,臨床的対応が異なるため,アミロイド前駆物質の同定も含めた病理組織学的診断が求められる.的確な診断のためには粘膜下層の血管を含む十二指腸,胃前庭部,空腸からの生検材料の採取が望ましい.前駆物質の同定には免疫組織学的手法が推奨される.また,アミロイドーシスの病理診断に当たっては背景の病態を十分把握する必要がある.

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要旨 自験消化管アミロイドーシス46例の上部内視鏡所見,および生検組織所見を遡及的に検討し,十二指腸病変の推移も解析した.胃病変の内視鏡像は,AL型で粘膜下腫瘍様隆起を,AA型で微細顆粒状粘膜と結節状小隆起の多発を特徴としていた.十二指腸病変では,AL型において粘膜下腫瘍様多発隆起が高頻度に認められ,その出現率は軽度沈着例においても50%であった.一方,AA型では粗糙・顆粒状粘膜を高率に認めたが,アミロイド高度沈着例でも異常所見を示さない症例が存在した.また,約半数の症例では内視鏡所見や組織所見に経時的変化はみられず,逆に治療が奏効して改善傾向を示す症例もあった.以上より,消化管アミロイドーシスの内視鏡所見は多彩であり,その沈着程度とは必ずしも相関しないこと,進行は比較的緩徐であることが示唆された.

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要旨 アミロイドーシスの小腸病変の特徴を明らかにするために,自験消化管アミロイドーシス症例の中でダブルバルーン小腸内視鏡ないしカプセル小腸内視鏡検査を施行した計14症例を対象として,その所見を中心に検討した.14例の内訳はAA型11例,AL型2例,Aβ2M型1例であった.内視鏡所見を検討すると,AA型は微細顆粒状粘膜面が特徴的であったが,NSAIDs常用者5例中3例で下部小腸優位のびらん・小潰瘍の多発を認めた.AL型では多発性の粘膜下腫瘍様隆起とKerckring皺襞肥厚像を,Aβ2M型ではKerckring皺襞の肥厚像を認めた.

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要旨 大腸に顆粒状粘膜が非連続性にみられ,気管支拡張症に続発したAAアミロイドーシス症例と,大腸に多発粘膜下血腫を来した原発性ALアミロイドーシス症例を提示した.AAアミロイドーシスの大腸内視鏡検査所見として顆粒状粘膜,血管網増生,小潰瘍,発赤斑,易出血性などがあるが,前二者がアミロイド沈着そのものによる所見で診断に寄与する所見と考えられた.顆粒状粘膜は小腸とは異なり,顆粒が大きく,アミロイド沈着による大腸小区の肥大によるものであった.ALアミロイドーシスの大腸内視鏡検査所見としては粘膜下腫瘍様隆起,粘膜下血腫,潰瘍,発赤斑,易出血性などがある.前二者が診断に寄与する所見であったが,内視鏡上異常を示さない症例も多くみられる.粘膜下腫瘍様隆起はアミロイド沈着そのものによる所見であるが,粘膜下血腫は血管への沈着による血管の脆弱性に起因する二次的な変化による所見と考えられた.ALアミロイドーシスの大腸病変の好発部位はS状結腸と直腸であった.

主題研究

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要旨 RAに伴うAAアミロイドーシスは,急性期炎症蛋白SAAを前駆蛋白として発症する.疾患感受性として,持続炎症,ageing,SAA1.3遺伝子多型が重要である.症状は蛋白尿・腎機能障害,消化器症状は難治性下痢や麻痺性イレウスが感染症併発時,手術時,関節外症状出現時などに生じる.進行を阻止する治療は,SAAの産生をできるだけ抑えることが最も合理的であり,抗サイトカイン療法が有用である.TNF阻害薬はSAAを低下させるが,産生抑制が不十分な例も少なからず存在する.一方,IL-6阻害薬は,作用機序から血中濃度を維持できればほぼ全例がSAA値の正常化が可能であり,今後の治療の主役になるであろう.

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要旨 当科において診療したCrohn病(CD),潰瘍性大腸炎(UC),Behçet病患者(BD)を対象とし,生検および手術標本における病理組織学的所見の結果から,二次性アミロイドーシス(SA)合併の有無を検討した.CDに関してはデータベースを用いて患者数,臨床像,臨床経過および長期予後について解析し,さらにSA合併症例の詳細とSAの合併有無別の比較検討を加えた.IBD患者におけるSA合併率は1.1%(CD : 1.6%,UC : 0.3%,BD : 3.4%)であった.CD症例においては,(1) 診断では十二指腸病変の認識と生検が有用であること,(2) SA合併率は1.6%で,近年やや下降傾向であること,(3) 累積生存率はSA診断後50か月で79.5%,131か月で53.0%と生命予後が不良であること,(4) SA合併例は悪性疾患の既往の頻度が15.4%で非合併例より有意に高かったことが明らかとなった.

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要旨 患者は64歳,女性.2012年4月上旬より血便が持続するため,当科を受診した.下部消化管内視鏡検査を施行したところ,直腸Raに径約20mm大で,頂部に潰瘍を伴う発赤調で弾性硬の粘膜下腫瘍様隆起を認め,潰瘍底の一部は黄色を呈していた.腫瘤の生検病理組織検査でアミロイドーシスと診断されたため,多発性骨髄腫や悪性疾患の併発を考え,全身CT検査,PET検査,骨髄穿刺などの精査を施行したが,いずれも異常所見を認めなかった.同年5月,精査目的で内視鏡的粘膜切除(EMR)を施行し,同腫瘤を切除した.病理組織検査でAL-κアミロイドーシスと診断された.頂部に黄色を呈する潰瘍を伴った発赤調の粘膜下腫瘍を診断する際は,アミロイドーシスも鑑別診断に入れておく必要があると考えられた.

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要旨 患者は60歳代,女性.全身倦怠感を主訴に来院し,鉄欠乏性貧血を認め入院となった.上部消化管内視鏡下の生検で,野生型トランスサイレチン(transthyretin ; TTR)由来のアミロイド沈着を認め,老人性全身性アミロイドーシス(senile systemic amyloidosis ; SSA)と診断した.内視鏡像では,十二指腸に多発するびらん・小潰瘍と粘膜と襞の腫脹・断裂を認めた.また,S状結腸にも不整形の多発する浅い小潰瘍を認めた.小腸X線造影検査では,十二指腸から上部空腸にかけて多発する小顆粒状または粘膜下腫瘍様の結節状の小隆起,Kerckring皺襞の腫大を認めた.十二指腸病変からの生検で,粘膜固有層から粘膜下層にかけてのアミロイド沈着がみられ,抗TTR抗体による免疫染色で陽性像を呈した.本症例でTTR遺伝子の解析を行ったが,変異を認めなかったことから,SSAと診断した.SSAで広範囲な消化管病変を呈することは珍しく,本稿では詳細を解説する.

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要旨 患者は70歳代,女性.心窩部痛を主訴に受診した近医の上部消化管内視鏡検査で胃に異常を指摘されたため,当科へ紹介され,受診となった.胃体下部大彎前壁寄りに発赤した大小不揃いの結節状隆起を認めた.粘膜下腫瘍様病変を呈し,粘液の付着を認めたために粘液癌が疑われたが,生検でアミロイドーシスと診断された.さらに,免疫染色にてTTR(transthyretin)陽性であることから,ATTRアミロイドーシスと診断された.TTRの遺伝子変異はなく,野生型TTR由来の老人性アミロイドーシス(senile systemic amyloidosis ; SSA)と最終的に診断した.他の消化管,他臓器にアミロイドの沈着を認めず,胃に限局されたATTRアミロイドーシスの1例であった.SSAも消化管アミロイドーシスを合併しやすく,アミロイドーシスの分類にはTTRを含めた免疫染色で行うべきである.

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要旨 患者は62歳,女性.20歳時に関節リウマチ(RA)を発症しており,最近5年間は無治療で放置していた.慢性下痢,食欲不振,体重減少を主訴に来院した.消化管内視鏡検査で上行結腸から直腸に連続性,びまん性に浮腫状,発赤調,微細顆粒状を呈する粘膜と厚い白苔を有する多発性・大小不同の不整型潰瘍が認められた.また,十二指腸には微細顆粒状の粘膜と多発するびらんが認められた.生検にてアミロイド蛋白の沈着を認め,RAに合併したAAアミロイドーシスと診断した.抗IL-6受容体抗体(トシリズマブ)の投与により,臨床症状とともに,内視鏡・病理所見の改善が認められた.トシリズマブはRAに合併したAAアミロイドーシスの有効な治療法であると考えられた.

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要旨 患者は60歳代,女性.2008年6月頃から1日10行前後の水様性下痢と体重減少を認めていた.2009年2月,原因精査目的で当院へ紹介され,消化管検査を施行したところ,上部小腸を主体としたびまん性の絨毛萎縮がみられ,病理組織学的にもceliac病に矛盾しない所見であった.診断に際しては,特に拡大内視鏡による微細観察が有用であった.グルテン除去食(gluten free diet)開始後,下痢は改善し,celiac病の臨床経過として矛盾しないものであった.その後の経過でperipheral T-cell lymphoma(not otherwise specified)を発症した.今回,筆者らは,本邦ではまれであるceliac病の,NBI併用拡大内視鏡観察を含めた典型的内視鏡所見,X線所見および病理組織学的所見を確認しえたので,文献的考察を加え報告する.

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要旨 患者は70歳代,男性.前医で施行した内視鏡検査にて胃角部小彎に陥凹性病変を認め,生検でGroup 5と診断され,当科へ紹介受診となった.通常観察では境界不明瞭な発赤陥凹を認めたが,癌と診断しうる所見はなかった.一方,NBI・酢酸併用拡大観察では,正常粘膜と病変部にわずかな構造差を認めた.その後,ESDを施行し,病理組織学的診断の結果はgastric adenocarcinoma,Type 0-IIb,tub1>tub2,15×8mm,pT1a(M),UL(+),ly0,v0,HM0,VM0であった.拡大内視鏡所見と病理組織学的所見を正確に対比するために,NBI・酢酸撒布併用拡大観察で観察した部位に割が入るように切り出しを行った.割入り後の標本上にマッピングし,内視鏡画像と対比したところ,全層性の領域と,一部に表層非腫瘍で粘膜中深層にのみ腫瘍腺管を認めた領域があった.全層性の病変範囲は概ね正確に診断できていた.しかし,粘膜中深層にのみ腫瘍腺管を認めた領域の診断は困難であり,NBI拡大観察の限界と思われた.

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 JDDW(Japan Digestive Disease Week)2013は,東京・品川で開催された.初日の水曜日は,時折強い風が吹いたものの,全日程を通じて穏やかな天候に恵まれた学会週間であった.

 全体的な構成としては,国際セッションが数多く組み込まれ,日本の学会の国際化が着実に進んでいることを実感した.消化器病・消化器内視鏡学会関連の食道セッションは,GERD(gastroesophageal reflux disease)が1題,Barrett食道・腺癌関連が2題,扁平上皮癌が1題で構成され,すべてに参加した.

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 JDDW(Japan Digestive Disease Week)2013は,10月9日から12日までの4日間,東京品川プリンスホテルなどにおいて開催された.6つの学会がJDDW2013に参加し,例年以上に全国から多くの先生が参加されており,海外からの参加者も目立っていた.われわれの施設では,東京開催の場合,交代で学会に参加しているが,今回は学会印象記を担当することになっていたため,会期中,早朝から学会場を目指し,久しぶりに,ほぼ1日中,発表を聞いていた.どの会場も満員で,立ち見で聴講することも多かった.JDDWの企画では,今後の専門医制度のあり方や日本消化器病学女性医師・研究者の会が開催され,社会への貢献についても議論されていた.日本消化器内視鏡学会総会は,藤田直孝会長(仙台市医療センター仙台オープン病院)の意向により,国際化を目指して,会期中どの時間帯でもinternational sessionが企画されていた.2020年に東京でオリンピック開催が決定したことを機に,われわれももっと“おもてなし”の心で国際化を目指していく必要がある.内容は,実際の診療や臨床研究に役立つ実学のテーマが多かった.日本消化器がん検診学会は,斎藤博会長(国立がん研究センターがん予防・検診研究センター)の意向により,「科学的根拠に基づいたがん検診を目指す」をテーマに,今後のわが国におけるがん検診のあり方を検討する演題が多く,筆者が最も注目している内容が詰まっていた.冒頭で,斎藤会長が,健常者を対象とする検診は,患者を対象とする診療上の診断とは原理・原則が異なり,優れた診断法が必ずしも有効な検診法ではなく,有効性が不明なままにがん検診を行うと,利益よりもむしろ過剰診断をはじめとする大きな不利益をもたらしかねないことと,検診の有効性の判断基準はいわゆるエビデンスであることを述べられ,がん検診の成立条件が,発見効率,予後効率,経済効率の3本柱だったことを思い出した.

 筆者が,最も注目していた主題は,2日目の消化器がん検診学会特別企画,深尾彰先生(日本消化器がん検診学会理事長)と芳野純治先生(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院院長)の司会による「胃がん検診におけるH. pyloriと胃粘膜萎縮によるリスク集約─エビデンスの要約と今後の研究課題─」であった.これまでに胃がん検診において有効性が唯一認められているのは,胃X線検診のみであるが,現在,精度は向上しているものの,受診率が向上しないことや医師のX線離れが指摘されている.そこで,近年,内視鏡検診の有効性を主張する研究者,ABC検診を主張する研究者,ABCリスク分類に基づいた内視鏡検診やX線検診を主張する研究者,従来どおり胃X線検診を主張する研究者たちが,わが国の今後の胃がん検診について議論し続けている.筆者は,胃癌の発生とH. pylori感染に関する研究結果をもとに,わが国の40歳以下の感染率が急激に低下することから,今後は,より効率的な検診を検討していかねばならないと考えているが,対象集約については慎重に検討すべき課題である.そこで,特別企画では,ABCリスク分類によって対象集約ができるかが議論された.吉原,井上,安田,吉澤,後藤田,加藤(敬称略)は,B,C群は胃癌の高リスク群であり,検診対象として検査を行えば発見効率(がん発見率)は向上するが,理論的に胃癌の超低リスク群と推測されるH. pylori抗体陰性かつPG(pepsinogen)陰性の“A群”は,検査が不要と言えるほどに診断できていないことを問題点として挙げており,これは共通した認識であった.その根拠は,A群にX線,内視鏡検査を行うと,萎縮性胃炎を伴っている症例が比較的多く,既感染者(自然除菌?)やH. pylori抗体偽陰性者が含まれているということと,発見胃癌をABC分類で分析すると,A群が10%以上を占めているということであった.つまり,超低リスクとしての“真のA群”の診断のためには,採血でA群と診断されても,X線検査や内視鏡検査で萎縮性胃炎がないことを確認する必要があることから,安田と後藤田は,X線や内視鏡による画像診断だけで十分であると,井上と吉澤は,カットオフ値の再検討も必要であると述べていた.

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 JDDW(Japan Digestive Disease Week)2013(第21回日本消化器関連学会週間)は,10月9日(水)~12日(土)までの4日間,グランドプリンスホテル新高輪,国際館パミール,グランドプリンスホテル高輪,品川プリンスホテルにて開催された.10月としては少し暑い気候ではあったが,多数の参加者があり,どの会場も活気に満ちて盛況であった.今年のJDDWでは,私は2日目の午後からの参加となったため,それ以後の学会内容について報告する.

 本学会では,4日間を通じて午前と午後に1コースずつ,消化器内視鏡ライブシアターが開催されていた.私が学会会場に到着したときには,広島消化管内視鏡ライブセミナーが上映されていた.会場は立ち見がでるほどの熱気にあふれ(どのライブシアターも同様に大変盛況であった),ビデオ上映ではあるが,実際の内視鏡検査・治療の迫力が伝わってきた.ライブセミナーは,近年さまざまな地域で開催されているが,私がなかなか参加できなかった事情もあり,このようにJDDWの学会会場でライブシアターを開催していただけると,とても有り難い気持ちである.ESD(endoscopic submucosal dissection)の際の剝離・止血といった編集されていない映像は,実際の自分の手技と比較することができて大変参考になった.このような臨場感あふれる内容であるため,ライブは人気なのであろう.会場には円卓も用意されており,コーヒーを飲みながらリラックスしてライブセミナーを鑑賞できる雰囲気も演出されていた.

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欧文目次

「今月の症例」症例募集
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 「今月の症例」欄はX線,内視鏡写真など形態学的所見が読めるようにきちんと撮影されている症例の掲載を目的としています.珍しい症例はもちろん,ありふれた疾患でも結構ですから,見ただけで日常診療の糧となるような症例をご投稿ください.

第20回「白壁賞」論文募集
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 「胃と腸」編集委員会では,故白壁彦夫先生の偉業を讃え,「白壁賞」を設け,優秀な研究・論文を顕彰しております.今回は「白壁賞」の論文を下記の要領で公募いたしますので,奮ってご応募ください.英文誌に発表された消化管の形態・診断学に関する論文が応募の対象となります.

早期胃癌研究会 症例募集
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早期胃癌研究会では検討症例を募集しています.

画像のきれいな症例で,

・比較的まれな症例,鑑別が困難な症例.

・典型例だが読影の勉強になる症例.

・診断がよくわからない症例.

学会・研究会ご案内

投稿規定

編集後記 小林 広幸
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 アミロイドーシスはアミロイド蛋白が全身の諸臓器に沈着し,臓器障害を来す難治性疾患である.本誌では22巻11号(1987年)と23巻2号(1988年)に取り上げられて以来,実に27年ぶりの特集である.当時は基礎疾患を中心とした分類であったが,その後の研究の進歩から,今日では前駆蛋白による分類が用いられている.消化管にみられる主なアミロイドーシスは,従来から続発性AAアミロイドーシス,原発性・骨髄腫合併ALアミロイドーシスが知られていたが,近年では新たに老人性全身性アミロイドーシスも散見される(平田序説).

 主題論文では,基礎的事項として加藤論文で現在のアミロイドーシス分類と今日までに解明された病態,各種アミロイド蛋白の発生機序に基づいた治療法について概説されている.また,病理の立場から新井論文では,的確な診断のためには粘膜下層を含む十二指腸,胃前庭部,空腸生検が望ましく,アミロイド蛋白の判別には旧来の過マンガン酸処理法は信頼性に乏しいために推奨されないこと,確定診断には各種前駆蛋白に対する抗体染色が必要であることが強調されている.臨床の立場からは,AA・ALアミロイドーシスの消化管病変の特徴を中心に,各分野のエキスパートが論じている.胃・十二指腸病変の画像所見(前畠論文)は,従来と同様で新たな知見は乏しかったが,小腸病変(蔵原論文)では小腸内視鏡やカプセル内視鏡という新たな画像診断の登場により,小腸病変の内視鏡所見が解析された.小腸病変の基本的な画像所見は従来の十二指腸病変に類似し,AA型では微細顆粒状粘膜,AL型では多発性の粘膜下腫瘤様隆起と皺襞肥厚像が特徴的であることが明らかとなった.一方,大腸病変(大川論文)は,AAアミロイドーシスでは全消化管において共通した画像的特徴を有するが,AL型では他部位と異なり,再発(出血)を繰り返す特徴的な粘膜下血腫様病変を随伴するという点は診断の一助となる新たな知見であろう.

次号予告

基本情報

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胃と腸
49巻3号 (2014年3月)
電子版ISSN:1882-1219 印刷版ISSN:0536-2180 医学書院

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