胃と腸 20巻8号 (1985年8月)

今月の主題 大腸癌の発育・進展

序説

大腸癌の発育・進展 大柴 三郎
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 癌の発育・進展の経過は発癌から癌死までに至る一連の自然歴であるが,便宜上線引きをしてみると,発癌の細胞分子レベルでの仕組みから始まり,癌細胞の発生→癌組織への増殖・発育→癌の顕微鏡レベルでの芽→早期m癌→sm癌→pm癌→進行癌→リンパ行および血行転移→死へと進展する.この経過中のそれぞれの領域に関して興味ある問題は多いが,本誌の特徴から主として病理および肉眼レベルでの癌の推移,すなわち,芽→m→sm→pm→進行癌の範囲に焦点を絞って企画した.

 かつて早期胃癌からpm癌,進行癌への発育・進展に関しては本誌あるいは日本消化器内視鏡学会シンポジウムで数回にわたり主題として取り上げられ,病理組織学的立場,肉眼形態学的立場,病態生理学的立場からも討議が行われている.今回はこの大腸癌版を企画したわけである.

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要旨 大腸癌切除標本251例の主病変を除く大腸粘膜と,行政解剖149例の大腸粘膜を実体顕微鏡で観察し,早期大腸癌18病変,腺腫230病変を得たが,それらの病変と臨床で得られた早期大腸癌117病変より次のような結果を得た.(1)大腸癌は,腺腫の癌化より,de novo carcinomaのほうが多い.(2)早期大腸癌の発育形式は,de novo carcinomaから発育し微小のⅡbまたはⅡaから急速に深部に発育・進展するものと,腺腫が癌化し,carcinoma in adenomaの形から比較的ゆっくり進展するものとがある.

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要旨 1年以上の間隔で2回以上の注腸X線検査が施行され,国立がんセンターにて切除された大腸癌18例20病変を対象とした.これらの病変についてX線学的に,大きさおよび形態上の推移,doubling time,発育パターンを検討し,以下の知見と推論を得た.①切除時に早期癌であった群のdoubling timeの平均は51.7か月,進行癌であった群では11.4か月であった.②3回以上の注腸検査歴があった進行癌の3例で,腫瘍径の増大をみると,発育パターンは直線ではなく,二次曲線に近いものであった.③進行癌になった群では,発育速度は病変の大きさに比例して,速くなる傾向がみられた.④進行癌の初期像と思われる13病変中10病変は,6~15mm大の無茎の隆起性病変であった.⑤進行癌へと発育・進展してゆく主経路は,無茎の隆起性病変が有茎になることなく,そのまま無茎の早期癌を経て,進行癌になる経路であろうと思われる.

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要旨 大腸癌の初期像,発育速度および発育過程における形態的変化をretrospectiveに検討し,若干の知見を得たので報告した.1965~1982年に愛知県がんセンターで手術あるいはポリペクトミーを行った大腸癌のうち,発見時点でretrospectiveにフィルムを見直しえた20例中,10例が初期病変,doubling timeの検討に有用であった.最終病変が進行癌であった6例の初期病変の平均径は約1.0cm,早期癌では0.8cm,形態は進行癌では6例中5例が無茎,1例が亜有茎,早期癌では4例中2例が無茎,2例が亜有茎であった.発育速度をCollinsの方法で算出した.最終病変が進行癌で発見された症例の平均doubling timeは218日,早期癌では731日で,doubling timeの早いものと遅いものが存在することが推定された.最初5mmの腺腫であると仮定し,上記doubling timeを用いて1cmになる日数を算出すると,夫々1年11か月(doubling time218日),6年(731日)を要すると推定された.5~10mm大の病変を発見した揚合,これがdoubling timeの早い病変か遅い病変かの区別は,その時点では困難である.5mmの腺腫が1cmに増大するには早いdoubling timeをとるとしても約2年を要することから,5mm以下の腺腫に対する次回の検査は2年後でもよいと思われた.

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要旨 大腸m癌を粘膜筋板の形態により5型に分類すると,それに対応するsm癌とpm癌が存在することから,大腸癌の発育過程には,少なくとも5つのルートが想定できた.このうち,腺腫が癌化し進行癌になるmain routeは,有茎性腺腫が癌化し,stalk invasionの後,無茎性sm癌を経て,2型進行癌に至るものであると考えられ,この発育過程を辿ったと推定される2症例を呈示した.

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要旨 大腸癌組織発生の解析には“腺腫の良性悪性の診断が客観的になされる”ということが前提となることは明らかである.その良性悪性の客観的診断の指標となる異型度係数,すなわち乱れ係数(ISA),核腺管係数(ING),および重複ドーナツ係数(IDD)を用いて大腸癌組織発生の解析を,更にはその立場からみた大腸癌の早期における発育・進展の検討を行った.その結果,大腸癌の70~80%は大腸粘膜から発生するde novo carcinomaで,残り20~30%が腺腫由来であるとみなされた.したがって,全身臓器における癌組織発生のなかで,大腸癌のみが腺腫を経由するという特殊性は認められない.そして,大腸粘膜由来の癌と腺腫由来の癌では,早期における発育・進展様式が異なることが示唆された.

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 白壁(司会)本日の話の順序は,いままではどうであったのか,それに対して日本の新しい知見とか考え方で,今はどうなのか,また今後にどういう問題が残されているのか,で話を進めていきたいと思います.

今月の症例

大腸の早期癌 間山 素行 , 狩谷 淳
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〔本症例の見どころ〕大腸早期癌の診断には,既に指摘されているように,病変表面の陥凹があるかないかが,1つの大きなキーポイントである.したがって,病変表面の陥凹を撮影できるか,あるいは確実に読影しきることができるかどうかが問題となる.

学会印象記

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 Flederic Salmonが1835年にSt.Mark病院を開院してから今年は150年目になる.これを記念して5月末にロンドンで盛大な学会が2日半にわたって催され,45か国から1,200人余のcoloproctologistが参加した.さながら,世界の専門家が一堂に会した感があり,わが国からも20人余のセント・マーク・ファンが参加した.学会のテーマはFrontiers in Colorectal Disease,古式豊かな色とりどりのガウンをまとったSt.Mark病院のスタッフが壇上に並ぶ前で,会長のMorsonにより開会が告げられた.この辺がいかにもイギリス流である.この後,Lindsay Granshawという若い女性によるSt.Mark病院の歴史についての素晴らしい講演があった,内容,ユーモア,そして正調の美しい英語(これは当たり前?)はさすが英国と感心させられたが,しばし鳴り止まぬ満場の拍手はこれを証明するものであった.その内容はいずれ近日中に出版される予定になっているが,是非読みたいと思っている.

 さて,学会のほうは,Symposium,Seminars on Patient Care,Free Paper,Posterに分かれており,午前,午後30分ずつのcoffee break,45分のlunch時間がとってある.Posterの発表者はcoffee breakの間,自分のポスターの所に立って質問を受け,ポスターは2日半の間,展示したままにしておく.Free Paper(15分)68題,Poster43題はいずれも10人のレフリーによって厳選されたものだけあって,内容は高かった.Symposiumの内容は①Functional Disorders,②Neoplastic Disease,③Inflammatory Bowel Diseaseに分けられ,それぞれ①The Basis of Functional Intestinal Symptoms,Constipation,Anorectal Incontinence,②Adenoma Surveillance,Adenomatous Polyposis,Carcinogenesis,Tumor Markers,Staging,Local Excision for Colorectal Cancer,Radiotherapy,Screening,③Ulcerative Colitis-Sphincter-saving Operation,Ulcerative Colitis-Dysplasia and Cancer Risk,Crohn's Disease‐Special Problems Ⅰ,Ⅱとなっており,この各項目ごとに3~4の講演(15分)と討論時間が組まれており,まことに盛り沢山で密度の濃いものである.Seminarも各1時間,講師の講演と参加者との質疑応答が,ベテランの司会者によってスムースにさばかれてゆく.Clinical Significance of Epithelial Dysplasia in Chronic Ulcerative Colitisなどは是非もっと多くの日本の専門家に聴いてもらいたかった.Colonoscopy,Physiological Investigations of the Colon and Pelvic Floor,The Management of Functional Bowel Disorders and Uncomplicated Diverticular Disease,Towards a Better Stoma等々,興味深い内容のものばかりであるが,とても全部を聴くことはできず残念であった.内容を一々紹介するゆとりはないが,機能面についての話に耳新しいものが多かった.Symposium,Seminarとも,ほとんどがSt.Mark病院のスタッフまたはその息のかかったイギリスの医師達によって構成され,それにアメリカ,西欧各国の専門家が参加するという形で進められた.アジアからは筆者がAdenoma Surveillanceのシンポにdiscusserとして参加しただけである.普通の国際学会と異なり,国際交流より討論の内容に重点が置かれた分だけ充実した学会であり,国際学会として大成功であったと思う.

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 第71回日本消化器病学会総会は1985年5月22日から3日間,葛西洋一会長,市田文弘会長代行のもと,ライラック祭りの最中の札幌市で開催された.学会は厚生年金会館と教育会館の9会場に分かれ,3題の特別講演をはじめ,シンポジウム,パネルディスカッションおよびワークショップがそれぞれ3題,これに一般演題が773題という規模の大きいものであった.消化器系の関連学会は開催される回数も多くなる一方で,演題の数もこれに合わせるように増加している.それはまるで消化器系学会という大きな機械が作動しているようでもあり,正直に言ってこれをどう評価してよいのか,ある種の戸惑いを感じないわけではない.したがってこの膨大な内容を全部聞き,かつ限られた紙面に紹介するということは,到底不可能であり,偏った印象記となることをお許し願いたい.

 第1日目のワークショップ“スキルス胃癌の診断と治療”は,午前は主として診断,午後は治療を中心に発表,討論が行われた.このような午前・午後を通して1日がかりのワークショップが行われたのは,恐らくこれが初めてであろう.長尾房大,三輪剛両教授は,まさにマラソン司会を担当されたわけである.この主題に対する会員の関心度は高く,会場はぎっしりとなり,入口には立って聞く会員も多く,入り切れない会員もあるなど盛況であった.

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 第29回日本消化器内視鏡学会総会は丹羽寛文会長のもと,去る5月9~11日の3日間,東京国立教育会館を中心として開催された.シンポジウム,パネルディスカッション,ワークショップ,各々3題,そして一般演題300余と多数の参加を得て盛大に行われた.いずれの会場も盛況であり,活気溢れる雰囲気は内視鏡学会の依然としての発展を物語るものと,丹羽会長そして関係各位に心から御祝いを申し上げる次第である.

 シンポジウムをはじめそれぞれ今日的な主題を取り上げ,いずれも興味をそそるものであったが,以下,筆者が聞きえたテーマにつき,その内容を紹介し,若干の感想を述べたい.

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 再発の問題を論議するのに,いわゆる累積再発率が唯一,最善の数字でないことは前号で述べたとおりである.目的によって,場合に応じて,問題の解明に最も適当な数字を選択すればよい.また,それが必要だということである.

 2つの集団について,再発の実態を比較するというのは,最も普通の課題だが,まず,そのうちの何を比べるのかをはっきりさせる必要がある.再発の速さを比較するには,いわゆる累積再発率が役に立とう.その数値が50%に達する期間を比べるなどすればよい.しかし,多くの場合,最も重要な数字は再発発生の頻度であろう.それを知るには,一定期間内の総再発回数を調べるのが,最も簡明直截である.その数字は内容からすれば,“いわゆる”ぬきの累積再発率とも言うべきものだが,それでは紛らわしいことになる.治癒係数という用語にならって,再発係数と呼んでおくことにしよう.

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要旨 大腸早期癌から進行癌へ発育増殖する過程で,肉眼形態がどのように変化するかを老察するため,腺腫417,早期癌220(m癌107,sm癌113),pm癌61の各病変につき肉眼形態と大きさ,腺腫混在率,腺腫成分の割合,腫瘍発生部位ならびにsm浸潤度分類,pm浸潤度分類から検討を行った.早期癌の形態推移には2つの大きな流れがあり,Ip,Ipsの形態で癌化し,15mm前後でsm癌へ移行し,sm1c以上の浸潤レベルでIs方向へ向かう流れ(mountain route)と,Ⅱaあるいは微小Isの形態で癌化し,早期に10mm前後でsm癌へ移行し,15mm前後のsm2~3の浸潤レベルでⅡa+Ⅱcへ向かう流れ(direct route)の両者が存在することが示された.また腫瘍の発生部位により両者の頻度が大きく異なることが示された.

Refresher Course・18

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□患 者:56歳,男性.

□主 訴:下痢.

〔初回X線所見〕(背臥位二重造影,Fig.1)横行結腸中部にHaustraの上に乗っかるように菊花状の二重輪郭を呈する所見が認められる.背の低い不整形の隆起性病変の存在が疑われるが,腸管の緊張が亢進しており,その形状は明瞭でない.

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1.臨床症状

質問 膵疾患に特徴的な臨床症状というのはあるのでしょうか.

 川井 臨床症状というのは,非常に大事な所見だと思いますが,これは胃癌の早期診断が症状を無視することで成功したという経験がありますので,最近,症状をどうも過小評価する可能性があります.神津先生,そのあたり御意見をお願いしたいと思います.

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工藤進英先生への質問

 (1)先生は907頁で“sm1c以上に癌浸潤が進んだ場合,IP→Ips→Isの急激な肉眼形態の変化を来していると考えられる”,また908頁で“sm癌のIp型でsm2の浸潤を示す症例を経験していないことから,mountain routeのsm浸潤による形態変化はsm1c~2のレベルで急激に生ずると考えられる”と述べておられますが,この急激な変化とは何を示すのですか?それは茎の脱落を意味しているのですか?

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欧文目次

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 Sporadic cases of hemorrhagic colitis associated with Escherichia coli O157: H7: Remis RS, MacDonald KL, Riley LW, et al (Ann Int Med 101: 624-626,1984)

 新たに病原菌として認識されたEscherichia coli serotype O157: H7が起炎菌と考えられる特異な出血性大腸炎症候群の集団発生が最近報告されている.報告された2度の集団発生は,同一チェーン店でのハンバーガーからの感染と推定されている.著者らは,これらの集団発生の調査後,散発例の発見を目的に全米監視体制を確立し検討を行ってきた結果,E.coli O157: H7による出血性大腸炎が散発例としても存在するため,臨床医はこれを認識し疑診例に糞便検査を迅速に施行するよう強調している.

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 Endoscopy in premalignant conditions of the esophagus: Lightdale CJ (Gastrointest Endosc 30: 308-309, 1984)

 食道癌の術後5生率は,今日なお0~10%にとどまっている,病変をより限局した治癒可能な時期に発見するために,無症状の食道癌高危険群に対する内視鏡検査が望まれる.中国の食道癌高危険域において,細胞診ならびに内視鏡による定期検診によって発見された115例の早期食道癌が最近報告された.低危険域においては,前癌状態を有する高危険群に,1~2年ごとの定期的な内視鏡によるスクリーニングを適用するなら,もう少し早い治療可能な時期に食道癌が発見できるのではなかろうか.

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 本書は,診断といわれるものの中で,鑑別診断を主にした本である.日常診療で最も重要なことは,できるだけ早く正しい病態の把握を行い,妥当な病名をつけ,それに基づいて適切な治療を実施することである.このたび刊行された「今日の診断指針」は,診断という点でその目的を余すところなく達成している.診察机の上に,「今日の治療指針」と「今日の診断指針」の2冊を並べて,時に応じて両書を繙けば,臨床医としては,正に鬼に金棒となるであろう.この意味において,今回の本書の刊行は極めて意義深いことであり,待望の書出現という感が深い.心からお祝い申し上げたい.

 本書は症候編と疾患編から構成されている.ここでいう症候は,私自身の解釈では症状,つまり自覚的な症候と他覚的な徴候の両者を合わせたものになっている.しかし,それはどうでもよいことかもしれない.私たちが最初に遭遇するのは病名ではなく,症状であるから.本書が最初に症候編として434頁も費やしていることは頷けるところである.そこには全身症候47項目,各系統の症候111項目が取り上げられている.そして,プライマリ・ケアの立場を十分に念頭に置き,項目によっては救急処置まで解説されている.しかも,各項目について,どうしても診断がつかないときはどうすればよいのか,という説明まで述べられており,心にくいばかりの配慮である.更にまた,超音波画像,CTスキャンの像など,画像診断にもかなりの重点が置かれていることがよくわかる.

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 腹部超音波検査が消化器疾患を診療していくうえで欠くことのできない極めて有用な検査になっていることは,今更言うまでもない.本検査については既に多数の著書が出版されているが,今回千葉大学第1内科の大藤正雄先生の一門が医学書院より「消化器超音波診断学」を出版された.著者らは以前同じ医学書院から「経皮的胆道造影」の名著を出されたが,本書も明らかにその延長上にあると言える.この2つを重ね読むと肝,胆,膵を中心とする形態診断学の歴史はもとより,超音波検査の現時点における位置づけを知ることができる.また,既存の著書や報告とやや趣きを異にして,超音波による画像診断のみでなく,著者らが開発した,日常診療で有用性の高い穿刺造影,生検,細胞診,胆汁や膿瘍のドレナージなど超音波映像下腹部穿刺法が述べられている.また,画像診断に関しても各種の計測値,超音波所見の特徴などがわかりやすくまとめられている.

 本書は文章や目次項目が簡潔で,解剖図譜を多く取り入れ,画像と並んでそのシェーマが加えられ,更に症例によっては病理肉眼像,組織像が添えられており,大変読みやすく,理解しやすい.肝,胆,膵を中心とはしているが,「消化器」と銘うってあるように消化管,腎,腹膜・腹腔病変の診断にも言及している.臨床上腹痛1つを取り上げても,消化器に限らずすべての病態を正しく把握することは極めて大切で,そういった配慮が感じられる.解剖図譜についても同じことが言える.超音波による画像は他の検査とは異なる画像であり,ふと解剖図譜が見たくなる.行き届いた心配りである.文献の引用も多く,特に著者ら自身の多数の文献が呈示され,この分野における牽引者ぶりがうかがわれる.この本は超音波のすばらしさを次々に見せてくれる,ただ,本検査でも高齢者,急性腹症の診断など問題がないわけではない.

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 本年で第10回を数えた村上記念「胃と腸」賞は,次の論文に贈られた.

編集後記 古賀 成昌
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 胃癌の発育・進展に関しては,これまでいろいろ活発な論議がなされてきたが,大腸癌に関するこの方面の問題については,必ずしも十分な論議はなかったように思われる.今回,本誌でこれらの問題が真正面から取り上げられたことは,この方面に関する研究推進の意味でも,その意義は極めて大きい.

 大腸癌の組織発生について,adenomaから発生するものが多いのか,denovoに発生するものが多いのかは,極めて興味ある問題であるが,adenomaからの発生が多いというのが,従来からの大方の考え方ではなかったかと考える.しかし,この考え方に対し主題論文ではde novoに発生するものが多いことが主張されている.

基本情報

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胃と腸
20巻8号 (1985年8月)
電子版ISSN:1882-1219 印刷版ISSN:0536-2180 医学書院

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