検査と技術 23巻9号 (1995年8月)

病気のはなし

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新しい知見

 ハンチントン病は遺伝性の神経変性疾患で不随意運動,知能障害,精神障害を呈する.本疾患遺伝子が4番染色体短腕の先端部にあることが1983年に明らかにされた.以来,同領域は疾患原因遺伝子の探索の対象となった.1993年に,この領域から単離されたIT 15遺伝子はその遺伝子の中に3塩基の反復配列(OAGrepeat)を持っており,しかも疾患染色体上ではこの反復回数が増大(expansion)していることが示された.この発見により本遺伝子が疾患選伝子であることと,この反復回数の増大が疾患変異そのものであることがわかった.その結果,本症の確定診断はDNA診断により行われるようになった.

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新しい知見

 サイトカイン測定の多くは,そのサイトカインが標的とする細胞を用いたバイオアッセイ法で行われていた.標的とする細胞は複数のサイトカインに反応するなど,必ずしも特異的な測定法とはいえなかった.しかし,モノクローナル抗体を用いた特異度の高い測定法が開発され,可溶性インターロイキン2受容体(SIL-2R)の測定として,酵素免疫測定がキット化1)された.このように最近では,SIL-2Rやホルモンなどの血中微量成分(pg/mlレベル)の測定が放射性同位元素,蛍光物質,発光物質などによらない測定系が可能になっている.

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新しい知見

 近年の心電計の進歩に伴い,雑音の少ない,より高感度な微小電位が記録ができるようになってきた.それに伴って加算平均心電図が発展してぎている.心室遅延電位は微小電位の中で最も臨床応用されている分野である.加算平均心電図の解析法としては時間解析法により十分実用に耐えうるようになっているが,いくつかの問題点もあり,それを解決するために周波数解析法の開発が期待されている.現在のところ,心室遅延電流の診断基準は各施設および装置によりさまざまであり,今後それぞれの機種ことの診断基準の作成や,記録システムの規格の標準化などを行う必要がある.加算平均心電図のその他の応用としては,ホルター心電図を用いた心室遅延電位の検出,心房遅延電位の検出,加算平均心電図の体表面マッピングなどが行われつつある.

技術講座 生化学

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新しい知見

 アポ(a)アイソフォームの違いと組み合わせで決定されるLP(a)フェノタイプはLP(a)濃度と密接な関係がある.アポ(a)アイソフォームは当初はイムノブロット法により6種類に分類されて研究されてきた.分析技術の進歩とアポ(a)蛋白の遺伝子構造が明らかになったことなどから,現在ではアポ(a)の繰り返し構造(クリングルIV)の長さの相違により20種類以上に分けられることが知られている.分子工学的な技術が進歩しているので,今後はアポ(a)の繰り返し構造の数に基づいた分類がなされるようになることが予想される.

技術講座 微生物

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新しい知見

 NCCLS M 27-Pに病原酵母真菌を対象とした薬剤感受性試験が1992年12月に提案されたが,この方法はmacrodilution法であり,その手技は繁雑で日常検査として実施するには問題が多い.また,macrodilution法に比べ,microdilution法が再現性に優れているとの報告もあり,すでに一般細菌と同様に,2倍希釈系列の薬剤をマイクロプレート・ウェルに乾燥固着させ,酸化還元反応呈色(alamarblue)を加えて菌発育終末点を比色法から判読するといった方法も検討されており,標準化されたmicrodilution法の確立が望まれる.

技術講座 一般

髄液蛋白の分析 正田 孝明
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新しい知見

 脳脊髄液(cerebrospina fluid;CSF,以後髄液と略す)検査は脳・脊髄系の疾患が疑われるときに髄液を採集し,蛋白検査をはじめ多くの検査が行われるが,疾患の診断,経過観察に他の臨床検査を含めても,その役割は十分に果たされていないのが現状である.

 近年,髄液中の蛋白の測定,髄液蛋白の分画,また各種蛋白成分(トランスサイレチン,α1-アンチキモトリプシン,トランスフェリン,フェリチン,リポプロテインアポE,β蛋白-タウ蛋白など)を定量することにより,アルツハイマー病およびパーキンソン病などに認められる痴呆度の診断や髄膜炎においてウイルス性,細菌性の鑑別が容易となり,また白血病が転移して中枢性白血病の発症を防止するために,これらの蛋白成分を定量することが病状観察に大きな指標となることが示唆された.各種髄液蛋白の測定が新たな臨床検査法として導入され,今までの臨床検査では不明であった中枢神経疾患の解明が進められることを期待している.

マスターしよう検査技術

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はじめに

 細胞診用標本作製技術が考案されてから今日まで,100年以上の歴史があり,その中でも1928年,パパニコロウが癌診断の有用な方法として発表した細胞診は,診断精度の高さと臨床への応用が容易な画期的なものとして,近代細胞診断学の幕開けとされている.当時は腟スメアの剥離細胞診としての検査法が主目的とされ,対象となる臓器は限られていたが,1960年代に入りCT,超音波診断装置などの医療機器の進歩とともに穿刺細胞診が発達し,深部臓器への適応が可能となり,対象となる臓器,および病変などの診断的意義が格段に広がり,現在では病理診断において,組織診と同様に重要な検査法として位置づけられるようになった.

 今回は,一般的な細胞診標本の作製法を手順に沿って解説を加えながら紹介していく.

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 診断機器の進歩に伴って新しい疾患概念が生まれてきた.無症候性脳梗塞もその1つである.従来のCT検査に比較して小病巣の検出が可能なMRIを用いた脳ドッグが普及してきた.この結果,明らかな脳卒中やTIAの既往のない症例において脳虚血病変を認めることが増加してきた.また,臨床上初回脳梗塞と思われる症例においても責任病巣以外の病変を指摘されることも多い.これら無症候性脳梗塞と呼ばれる病態の成因として老化や高血圧などの細動脈硬化が指摘されているが,頭蓋内あるいは頸部の主要血管の狭窄性病変が潜在することもある.このような無症候あるいは軽症脳血管障害の精査には,非侵襲的な血管病変の検索や脳循環動態の精査が望まれる.この目的にはMRIと平行して発展してきた超音波検査,MRアンギオグラフィ(MR angiography;MRA)および脳血流single photon emissioncomputed tomography(SPECT)検査などが有効な手段である.

 図1は糖尿病治療目的で当科を紹介された61歳の男性のMRIである.脳卒中の既往歴はなく,また,高次脳神経を含む神経学的所見に異常を認めなかった.眼科で右眼の循環障害を指摘されていた.MRIでT2延長領域を認め,無症候性脳梗塞と診断された.頸部超音波断層撮影を施行した結果,右内頸動脈起始部での閉塞を認め(図2),その後の血管撮影で右内頸動脈閉塞が確認された.

生体のメカニズム 体液調節機構・8

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酸の産生と調節系

 細胞外液のH濃度の正常値は40nmol/l(40×10-6mmol/l,pH7.40)に維持されている.このH濃度は他の電解質濃度の約100万分の1に相当し,かつ狭い範囲内に調節されている.これは生体に負荷されるHに応じて排泄されるHがバランスがよく加減されていることによる.生体に負荷される酸は,通常は食物摂取と細胞内代謝によるものである.この大部分は糖・脂質の最終代謝産物である揮発性(volatile)の炭酸(約15,000〜20,000mmol/日)で,肺より排泄される.他は蛋白に含まれる硫黄やリンの最終代謝産物である非揮発性(non-volatile)の無機酸(約50〜70mmol/日,1mEq/kg/日)で腎より排泄されている.このほか有機酸として乳酸やケト酸が糖代謝で作られるが,これらは中間代謝体であり正常では炭酸に代謝され血中に蓄積することはない.

 体内に負荷される酸に対して,生体では緩衝系による化学的緩衝,肺胞換気によるPCO2の調節,腎臓によるHCO3の調節が行われている.腎での調節は正確であるが日の単位と遅い.これに対し,細胞外液の緩衝,肺胞換気による調節,細胞内液による緩衝作用はそれぞれ秒,分,時間の単位で働いている.

検査データを考える

ジギタリス効果心電図 落合 正彦
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はじめに

 ジギタリスは治療域が狭く,過剰投与により中毒をきたしやすいという欠点を持つものの,経口投与が可能なことから現在も強心薬としてうっ血性心不全の治療に頻用されている.また,心房細動や発作性上室性頻拍などの上室性不整脈に対して使用されることも少なくない.本稿ではジギタリスの薬理作用,適応,使用法を概説した後,ジギタリス投与により心電図上いかなる変化が生ずるかを考えてみたい.

わかりやすい学会スライドの作りかた

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 本シリーズではこれまで学会スライドの作りかたについて,その基本ルールおよび各検査領域での留意事項と,手持ちの道具を用いたスライド作製の要領などについて示してきた.これから6回にわたり,学会発表のしかた,学会抄録の作りかた,ポスターの作りかたについてそれぞれ2回ずつで,ルールと注意事項やポイントなどについて示す.

検査ファイル

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はじめに

 Streptococcus milleri group(SMG)は口腔,咽頭,消化管,膣などの粘膜に常在し,あらゆる化膿性疾患の起炎菌になりえる菌群である.なかでも歯科口腔領域の化膿性疾患をはじめとして肺炎,肺化膿症,膿胸,縦隔膿瘍などの呼吸器感染症の起炎菌として重要である.SMGは従来,原因不明菌とされていた肺炎の検体から分離されることも多く,microaerophilicstreptococciが起炎菌として今まで報告された肺化膿症,膿胸などの症例の中にはSMGであったものが多く含まれているものと思われる.これらの疾患の起炎菌としてSMGの占める割合は諸家の報告により異なるが,当教室が調査した65症例のうち17症例(26.2%)はSMGの起炎菌としての関与が確認された.しかしながら,その分離,同定に時間がかかることや,本菌群の病原因子については明らかでないことなどにより海外はもとより国内での報告はまだ多くない.

B細胞の活性化 眞弓 光文
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 B細胞の活性化とは,休止状態にあるB細胞を,刺激に対して反応して細胞増殖や抗体産生細胞への分化を起こし得るような状態にさせることである.B細胞は骨髄の造血幹細胞より分化し,pro B細胞(免疫グロブリン遺伝子の再構築はみられるが,細胞表面にいまだ免疫グロブリンを発現していない細胞),pre B細胞(細胞質内に免疫グロブリン重鎖の1つであるμ鎖のみを発現している細胞および表面にμ鎖とVpeB/λ5と呼ばれる分子の複合体を発現している細胞)を経て,表面にμ鎖と免疫グロブリン軽鎖(κまたはλ鎖)の複合体(μ2κ2またはμ2λ2)からなる免疫グロブリンM(IgM)を発現するようになったリンパ球である.表面免疫グロブリンは特異的な抗原刺激を受け取るレセプターとして機能する.このような未熟B細胞はやがて表面にIgMと同じ抗原に特異的に反応するIgDも発現して,成熟B細胞(表面IgM,IgD陽性B細胞)に至る.表面免疫グロブリンや他の分化抗原(分化の段階に応じて出現する分子)を蛍光抗体法により染色することなどで,上述のB細胞とその分化段階を同定できる.

 休止状態の成熟B細胞は抗原による表面IgMの架橋やマイトジェンの刺激により活性化され,増殖・分化に必要な刺激を受け取るためのレセプターの発現量を増したり,新たに発現したりする.また,抗原をHLA分子とともに提示して(抗原提示細胞として働いて),T細胞に抗原刺激を与える.

プログラム言語 白鳥 則郎
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 コンピュータに関係し,人工的に作られた言語,つまり人工言語には,仕様記述言語,検証用言語,プログラム言語などがある.仕様記述言語は,ユーザあるいは設計者がコンピュータに解かせる問題を要求定義として明確に記述するための表現手段である.また,検証用言語は,仕様記述言語やプログラム言語で書かれた内容を検証するための言語である.ある問題をコンピュータで解く場合,その問題をコンピュータが理解できる形式で表現しなければならない.人間が通常使用している表現形式である自然言語に対して,コンピュータが理解できる言語をプログラム言語と呼ぶ.プログラム言語には,人間にとってわかりやすいものとコンピュータに依存した言語がある.

 プログラム言語は,コンピュータで解こうとする問題およびその解法手順を正確に記述するための表現手段である.プログラマは,この言語を用いてプログラムを作成し,コンピュータへ入力する.プログラマが書いたプログラムをソースプログラムと呼ぶ.ソースプログラムは,コンピュータへ入力されると,コンピュータが実行可能なオブジェクトプログラムに変換される.これらの関係を図1に示す.

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 生命維持に重要な生化学的反応を営む酵素の臨床検査的把握は免疫学的手法を用いる抗原量と生化学酵素反応を駆使する生物学的活性値で行われる.

 近年の分子生物学的手法の進歩で遺伝子異常に起因する抗原量は正常であってもその生物学的活性値(以下,活性値)が低値を示して両者に解離を認める分子異常症(以下,異常症)が存在する.血栓止血学でのこの異常症は出血症状,あるいは血栓症を惹起するが,以下これらの要因について述べる.

ラボクイズ

問題:細菌・真菌検査

7月号の解答と解説

明日の検査技師に望む

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 臨床検査技師制度がわが国に根づいて37年が経過した.浅学な私には欧米に生まれ育った“臨床検査”がいつ,誰の手でわが国に導入されたのか知らないが,時代の強いニーズが臨床検査の急激な成長を支え,現代医療の中でもはや不可欠な存在にまで昇華させたことは間違いないように思う.無論その陰には数知れない先人の献身的な努力があったことは言うまでもなく,検査技師の諸先輩はもちろんのこと,医師,薬剤師,また検査技師免許を持たない多くの科学者および企業が一体となって切磋琢磨した成果の結実にほかならない.今後“臨床検査”がさらなる発展を遂げるためには,これまでにも増して幅広い職域からこの分野への参画が期待される.本来“医療”は“健康で幸せな生を長らえまっとうする”という人類究極のテーマを背負っており,その目標を達成するために必要なあらゆる知識や技術を積極的に取り入れるべきであり,他に例をもとめるまでもなく,われわれ臨床検査技師自身同じ理由で医療に参画した事実がその可能性の高さを雄弁に物語っている.

 医療を構成する職種がさらに複雑化していく見通しの中で,われわれ検査技師は今後の医療へのかかわりかたについて,他人任せにせず真剣に考えるべきではないだろうか.

けんさアラカルト

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 現在,検査の精度は向上し,特に血球計数では検査値の測定誤差は非常に少なくなっており,大変結構な話である.しかし,一方では,精度を上げるにはそれなりの精密度の高い機械や測定原理が必要で,コストは高くつく.したがって,あまり精度管理を重要視すると,今度は逆に経済効率が落ちてしまう.そこで,測定誤差をどこまで少なくすれば許容されるかが問題となるが,不幸にもわが国においては一定の意見が得られていない.検査の最終的なユーザーは臨床家であり,検査誤差の臨床的許容範囲が当然問題となる.

トピックス

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 細胞を電子顕微鏡で観察するとミトコンドリア,粗面小胞体,ゴルジ装置などの小器官とともに線維状の構造物が見いだされる.これは細胞骨格(cytoskeleton)と総称され,細胞の形や他の小器官の配置を決める以外に,細胞の運動,分裂,物質の移動,細胞同士の接着などの重要な機能にも関与することが知られている1)

 細胞骨格は直径と構造上の違いから微小管(microtubule),マイクロフィラメント(microfilament),中間径フィラメント(intermediate filament)に大別される.微小管は平均25nmの直径を有する管状構造で,マイクロフィラメントは6〜8nm径の微細な線維束として観察される.この2つの中間の直径(約10nm)を示すのが,中間径フィラメントである.電顕的に区別することは難しいが,中間径フィラメントは生化学的構造の違いから,(サイト)ケラチン(cytokeratin),ビメンチン(vimentin),デスミン(desmin),GFAP(glial fibrillary acidic protein),ニューロフィラメント(neurofilament:NF)の5種類に分類され,それぞれがある程度固有の組織,細胞に分布することが知られている.ケラチンは,分子量40〜70キロダルトン(kDa)にわたる少なくとも19種類のサブタイプからなり,主に扁平上皮や腺組織の上皮細胞に局在している.

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はじめに

 Bruton型無γ-グロブリン血症は,1952年Brutonにより報告された先天性免疫不全症である1).男児にのみ発症する伴性劣性の遺伝形式をとることから伴性無γ-グロブリン血とも呼ばれている.先天性の免疫不全症には,細胞性免疫が欠損しT細胞の機能に異常があるものと,液性免疫(抗体)が欠損しB細胞の機能に異常があるものとがあるが,Bruton型無γ-グロブリン血症は,液性免疫の異常を示す先天性免疫不全症の代表的なものである.

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 インスリン非依存性糖尿病(noninsulin-dependentdiabetes mellitus;NIDDM)の発症には遺伝要因と環境要因の双方が重要とされる.従来は環境因子,特に過食,肥満,ストレスなどに注目が集まっていたが,遺伝因子が多様で解析困難なこともその理由の1つだった.最近,日本人のNIDDMの少なくとも約1%について,ミトコンドリアDNA(mtDNA)異常が原因であることが明らかになった.

 ミトコンドリアは,外膜・内膜という二重の膜で囲まれた細胞内小器官である.さまざまな酵素や膜蛋白が含まれるが,最も重要な機能の1つは,TCA回路およびそれに引き続く酸化的リン酸化により,ATPの形でエネルギー源を産生することである.またこの器官は,核内の染色体とは独立に,環状二本鎖のDNAを持ち(mtDNA),そこにtRNA,rRNAのほか,電子伝達系の酵素のサブユニットのいくつかがコードされている.つまり,ミトコンドリアの機能の一部はmtDNAに依存している.

E test® 金子 明寛
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 薬剤感受性試験の種類には,定量的測定法(最小発育阻止濃度minimum inhibitory concentration;MIC)と定性的測定法がある.現在,臨床検査室では,定性的測定法の1つである薬剤含有ディスクを用いる方法が簡便性の点から広く使われている.

 薬剤感受性試験としては,MICを測定する定量法が最も優れているが,これまでの液体培地希釈法は手数がかかり,簡便性および費用の点で,臨床検査室には不向きであった.自動化測定である微量液体希釈法は迅速化の点では優れているが,これら自動化測定装置は高価である.

けんさ質問箱

Q 適合血輸血 棚町 博文 , H. H.
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 タイプ&スクリーン〔患者の血液型・抗体スクリーニングをあらかじめ実施,スクリーニング(-)であれば術前に交差適合試験を行わずに手術を実施し,輸血が必要となった時点でABO式血液型の適合性だけを確認して輸血を行うシステム〕を導入すると,輸血本数に対するクロスマッチテストの本数を著しく低下する.また,検査コストの節減,業務省力化,合理化が図られる(検査と技術22巻7号)とありましたが,実際にルーチン化している施設はあるのでしょうか.またクロスマッチ(通常)の保険請求は輸血液1パックにつき点数が計算されますが,タイプ&スクリーンではどのように保険請求することになるのかご教示ください.

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 心筋梗塞でのST部とT波の経時変化についてナースにわかりやすく説明したいのですが,自分でもうまく説明できません.どのように説明したらわかってくれるでしょうか.

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 子宮頸部の上皮性悪性腫瘍は「子宮頸癌取扱い規約」(頸癌規約分類)において,扁平上皮癌,腺癌,腺癌・扁平上皮癌混合型,カルチノイド,未分化癌に分類されている.扁平上皮癌は,角化の有無および細胞の大きさから角化型,大細胞非角化型,小細胞非角化型に,腺癌は頸管円柱上皮に類似の内頸部型腺癌とその他の腺癌に,腺癌・扁平上皮癌混合型は,腺扁平上皮癌,腺棘細胞癌,腺癌・扁平上皮癌共存型にそれぞれ細分類されている.また,未分化癌は分化度が極めて低く,上記の癌のいずれにも分類できない上皮性悪性腫瘍とされている.

 子宮頸部に発生する上皮性悪性腫瘍のうちで小型細胞からなる癌は,上記の小細胞非角化型扁平上皮癌,カルチノイドのほかにいわゆる小細胞型神経内分泌癌(small cellneuroendocrine carcinoma;SCNC)がある.このSCNCは,病理組織学的,免疫組織化学的,電子顕微鏡的に特徴的所見が確立されてきたため,未分化癌の中にSCNCが含まれていることがわかってきた.また,SCNCは扁平上皮や腺上皮などへの分化傾向を示すことがあるため,同一腫瘍内に扁平上皮癌や腺癌の成分が認められることがある.このため小細胞非角化型扁平上皮癌や腺・扁平上皮癌混合型の中にもSCNCと思われるものが含まれている場合がある.

基本情報

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検査と技術
23巻9号 (1995年8月)
電子版ISSN:1882-1375 印刷版ISSN:0301-2611 医学書院

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