病気のはなし
ハンチントン病
渡邉 雅彦
1
,
金澤 一郎
1
1東京大学医学部神経内科
pp.658-666
発行日 1995年8月1日
Published Date 1995/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902458
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新しい知見
ハンチントン病は遺伝性の神経変性疾患で不随意運動,知能障害,精神障害を呈する.本疾患遺伝子が4番染色体短腕の先端部にあることが1983年に明らかにされた.以来,同領域は疾患原因遺伝子の探索の対象となった.1993年に,この領域から単離されたIT 15遺伝子はその遺伝子の中に3塩基の反復配列(OAGrepeat)を持っており,しかも疾患染色体上ではこの反復回数が増大(expansion)していることが示された.この発見により本遺伝子が疾患選伝子であることと,この反復回数の増大が疾患変異そのものであることがわかった.その結果,本症の確定診断はDNA診断により行われるようになった.
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