明日の検査技師に望む
主体性の確立を!技師として今
相原 雅典
1
1天理よろづ相談所病院臨床病理部微生物室
pp.672
発行日 1995年8月1日
Published Date 1995/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902460
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臨床検査技師制度がわが国に根づいて37年が経過した.浅学な私には欧米に生まれ育った“臨床検査”がいつ,誰の手でわが国に導入されたのか知らないが,時代の強いニーズが臨床検査の急激な成長を支え,現代医療の中でもはや不可欠な存在にまで昇華させたことは間違いないように思う.無論その陰には数知れない先人の献身的な努力があったことは言うまでもなく,検査技師の諸先輩はもちろんのこと,医師,薬剤師,また検査技師免許を持たない多くの科学者および企業が一体となって切磋琢磨した成果の結実にほかならない.今後“臨床検査”がさらなる発展を遂げるためには,これまでにも増して幅広い職域からこの分野への参画が期待される.本来“医療”は“健康で幸せな生を長らえまっとうする”という人類究極のテーマを背負っており,その目標を達成するために必要なあらゆる知識や技術を積極的に取り入れるべきであり,他に例をもとめるまでもなく,われわれ臨床検査技師自身同じ理由で医療に参画した事実がその可能性の高さを雄弁に物語っている.
医療を構成する職種がさらに複雑化していく見通しの中で,われわれ検査技師は今後の医療へのかかわりかたについて,他人任せにせず真剣に考えるべきではないだろうか.
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