臨床放射線 65巻12号 (2020年11月)

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日常臨床で画像診断を行う中で,CT画像の様々なアーチファクト(artifact)に遭遇する。アーチファクトとは画像上に生じる実際には存在しない虚像のことを指し,装置の異常,被写体の状況,撮影条件など様々な原因によって生じる1)。アーチファクトは,ときに正確な診断を妨げたり偽病変を生じたりするため,その成り立ちや特徴を知っておくことは不可欠である。本稿では,主に被写体が原因となって生じるアーチファクトに関し,その原因や特徴について解説する。また,アーチファクトを低減するための技法や画像再構成法についても概説する。

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MRIでは,高度な静磁場均一性が必要とされる。また,信号の送受信や受信した信号による画像再構成には非常にデリケートなシステムが統合されている。撮影対象も様々な組織を含み,呼吸,拍動,蠕動といった生理的な動きをする生体が対象である。こうした多くの因子の複合として出来上がるMR画像では,アーチファクトから逃れられないと考えてよい。また,近年のMR装置では,パラレルイメージングや圧縮センシング(compressed sensing:CS),種々のK空間のデータ充塡方法などにより高速化が可能となってきている。このため,撮像法に特有なアーチファクトが発生することも多くなっている。我々MRIに従事する医療者は,アーチファクトを認識すること,アーチファクトを防ぐ対応ができることが重要である。しかし,現実のMRIにおけるアーチファクトを画像内からまったくなくすことが難しい場合も多い。よって最適な対応として,アーチファクトを関心領域から除き,最小限にするなど様々な手法も必要となる。本稿では,基礎的なものから近年気になるアーチファクトまでを紹介し,要因・対応などについて紹介する。

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核医学検査におけるアーチファクトは血糖値など被検者による生理的なアーチファクトと機械や技術的なものによる物理的アーチファクトに大きく分類される。また,これらのアーチファクトにより,ピットフォールが生じ,正常像であるにもかかわらず,異常所見と読影してしまうことも起こりうる。本稿では近年臨床現場でも身近になった18F-FDG-PET/CTを中心に核医学検査画像における注意すべきアーチファクトについて述べる。

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Japan Cardiovascular Databaseに登録された経皮的冠動脈形成術(percutaneous coronary intervention:PCI)の適切性について,appropriateness use criteria(AUC)に基づき分析した結果,慢性期coronary artery disease(CAD)に対し適切と判断されたPCIは2009年版AUCで35.1%および2012年版AUCで24.8%にすぎず,慢性期CADに対しPCIが不適切に実施されている1)。PCIの必要性は,coronary angiography(CAG)やcoronary CT angiography(CCTA)で狭窄率,病変長をもとに判断されている。しかし,CAGやCCTAはあくまで形態的評価で,そのため虚血を伴わない狭窄に対して血行再建しても予後は改善しない。このことを背景に2018年度よりPCI施行前の機能的評価が我が国の保険診療に義務づけられることとなった。機能的評価として狭窄前後の圧較差をカテーテルで測定する血流予備量比(fractional flow reserve:FFR)が推奨されている2)。FFRによる診断能は非常に良いが侵襲的かつ煩雑な操作を要し,患者の身体的かつ経済的負担を伴う。

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腎部分切除術は腎機能温存の観点から小径腎細胞癌に対する標準的な治療となっている。しかし,仮性動脈瘤や動静脈瘻といった血管性合併症も少数ではあるがみられる。発生頻度からは腎動静脈瘻よりは仮性動脈瘤のほうが多いとの報告が見受けられる。その治療は腎機能温存や低侵襲という観点からIVRでの経カテーテル治療が主体となっている。今回は腎部分切除術後に発生した腎動静脈瘻に対しマイクロコイルによる塞栓を行い,良好な塞栓効果を得た1例を経験した。手術手技と仮性動脈瘤・腎動静脈瘻も含め報告する。

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重複腸管は全消化管に生じるまれな先天性疾患である。多くは15歳未満で発症・診断されるが,成人発症例ではまれな合併症として悪性化の報告が散見される。今回,我々は成人腹壁に生じた大腸重複腸管由来の粘液癌の1例を経験したので報告する。

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IVR(interventional radiology)は,心筋梗塞,狭心症などの循環器疾患の増加,デバイスの開発などにより広く普及してきた1-5)。それに伴い手技の複雑化・多様化により,診断に用いる心臓カテーテル検査(CAG:coronary angiography)に比べX線透視時間が長くなる傾向にあり,術者の被ばく線量の増加が懸念されている6)7)

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3次元スキャナーは対象物に赤外線を照射し,3次元情報を取得すると同時に,カメラも使用し対象物の画像情報を取得することのできる装置である。この取得したデータをコンピュータで処理することによって,対象物をコンピュータ上に3次元コンピュータグラフィック(3D-CG)で再現することができる。

連載

今月の症例 奥田 花江
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画像所見 CTで胃前庭部に強い造影効果を呈する径2cm大の隆起性病変あり。肝には肝硬変の所見があり,左葉肝門部にはリピオドール結節を認めHCCの治療後であると考える。

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連載第13回と第14回は膵癌をテーマとする。膵癌診療ガイドライン2019年版において,膵癌を診断するための腹部US,CT,MRI,EUSなどの画像診断の次のステップとしてFDG-PETは行わないことが提案されている。

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膵癌診療ガイドライン2019年版では,膵癌の病期診断において遠隔転移が疑われる場合にはPETを行うことが提案されている。

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日常の診療において,放射線を用いた画像検査は不可欠となっているが,被ばくと確率的影響が問題となる。診断に必要十分な情報を与える画像を得るための検査であり,正当化と最適化が着実に実行されなければならない。現時点では確率的影響はLNT仮説にのっとりしきい線量もないことから,最適化ではALARAの原則にあるようになるべく被ばくしない,させないことが重要である。患者が安心して放射線診療の利益を享受するためには,放射線科医を中心とした診療チームによる線量管理や医療放射線防護教育は欠かせないものである。ここではX線発生装置による診療と被ばく管理について言及するが,まず,患者が受ける医療被ばくと医療従事者の受ける職業被ばくについて表1に特徴を示した。

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編集後記

基本情報

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臨床放射線
65巻12号 (2020年11月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:0009-9252 金原出版

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