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日常診療で押さえておきたい放射線の基礎知識 第5回 確率的影響低減にむけた診療放射線使用の最適化
井上 真由美
1
,
土肥 佐和子
2
,
古川 恭治
3
,
平田 秀紀
4
1聖マリア病院 診療放射線室
2久留米大学 認定看護師教育センター
3同 バイオ統計センター
4聖マリア病院 放射線治療科
キーワード:
医療被ばく
,
確率的影響
,
正当化
,
最適化
Keyword:
医療被ばく
,
確率的影響
,
正当化
,
最適化
pp.1355-1359
発行日 2020年11月10日
Published Date 2020/11/10
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000001444
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日常の診療において,放射線を用いた画像検査は不可欠となっているが,被ばくと確率的影響が問題となる。診断に必要十分な情報を与える画像を得るための検査であり,正当化と最適化が着実に実行されなければならない。現時点では確率的影響はLNT仮説にのっとりしきい線量もないことから,最適化ではALARAの原則にあるようになるべく被ばくしない,させないことが重要である。患者が安心して放射線診療の利益を享受するためには,放射線科医を中心とした診療チームによる線量管理や医療放射線防護教育は欠かせないものである。ここではX線発生装置による診療と被ばく管理について言及するが,まず,患者が受ける医療被ばくと医療従事者の受ける職業被ばくについて表1に特徴を示した。
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