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特集 実況! 私の診察室
腰部脊柱管狭窄
Lumbar Spinal Canal Stenosis
小林 良浩
1
,
紺野 愼一
1
Yoshihiro KOBAYASHI
1
,
Shinichi KONNO
1
1福島県立医科大学整形外科学講座
1Department of Orthopaedic Surgery, Fukushima Medical University
キーワード:
腰部脊柱管狭窄
,
lumbar spinal canal stenosis
,
歩行負荷/腰椎伸展負荷
,
gait-loading test/lumbar extension-loading test
,
腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン
Keyword:
腰部脊柱管狭窄
,
lumbar spinal canal stenosis
,
歩行負荷/腰椎伸展負荷
,
gait-loading test/lumbar extension-loading test
,
腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン
pp.219-224
発行日 2022年8月31日
Published Date 2022/8/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201827
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はじめに
腰部脊柱管狭窄とは,腰椎部において脊柱管が先天性または発育性に狭小であったり,後天性に狭小化して,馬尾や神経根が圧迫され痛みやしびれといった下肢症状や会陰部症状などを呈する病態をいう.
神経組織の障害あるいは血流の障害が生じ,症状を呈すると考えられているが,現在のところ定義について完全な合意は得られていない.
症状は疼痛,しびれ,倦怠感などさまざまであり,また歩行や姿勢などの動作に伴い変化するという特徴を有する.複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患は症候群と呼ばれ,腰部脊柱管狭窄(症)は特有の症状を有する症候群である.「腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021」においては下記の診断基準が提案されている10).
①臀部から下肢の疼痛やしびれを有する
②臀部から下肢の症状は,立位や歩行の持続によって出現あるいは増悪し,前屈や座位保持で軽減する
③腰痛の有無は問わない
④臨床所見を説明できるMRIなどの画像で変性狭窄所見が存在する
ただし,腰部脊柱管狭窄の診断は症状と身体所見から障害部位を推察し,その後,画像所見との一致を確認する必要がある.
本稿では,診察室での状況を示しながら,診察上筆者が心がけていることを記載する.
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