綜説
有機酸・脂肪酸代謝異常症の診断と治療の進歩
山口 清次
1
1島根大学医学部小児科
キーワード:
有機酸代謝異常症
,
脂肪酸代謝異常症
,
タンデムマス
,
新生児スクリーニング
,
酵素
Keyword:
有機酸代謝異常症
,
脂肪酸代謝異常症
,
タンデムマス
,
新生児スクリーニング
,
酵素
pp.417-425
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000404
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
1960年代から質量分析による生化学診断技術が発展し,有機酸・脂肪酸代謝異常症が次々発見され,病態が明らかにされてきた.またタンデムマスを導入した新生児スクリーニングも始まった.この領域の疾患は,異化亢進状態で急性発症する疾患が多く,有機酸代謝異常症の臨床症状はケトアシドーシス,低血糖,高アンモニア血症等で,一部神経退行を呈する疾患もある.脂肪酸代謝異常症の症状はエネルギー産生不全による骨格筋・心筋障害,低血糖,急性脳症,突然死等である.最近,従来の有機酸・脂肪酸代謝異常症の疾患イメージと異なりミトコンドリア病に類似した症状を呈する疾患も発見された.小児神経難病の解明への貢献が期待される.
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.