特集 日常診療で先天代謝異常症を見逃さないために
1.有機酸代謝異常症
但馬 剛
1,4
,
原 圭一
2
,
宇都宮 朱里
3
,
香川 礼子
4
,
佐倉 文祥
4
1国立成育医療研究センター研究所マススクリーニング研究室
2国立病院機構呉医療センター小児科/臨床研究部先天代謝異常研究室
3県立広島病院小児科
4広島大学病院小児科
キーワード:
代謝性アシドーシス
,
高アンモニア血症
,
低血糖症
,
発達遅滞
,
新生児マススクリーニング
Keyword:
代謝性アシドーシス
,
高アンモニア血症
,
低血糖症
,
発達遅滞
,
新生児マススクリーニング
pp.1359-1364
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001473
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有機酸代謝異常症とは,主にアミノ酸の中間代謝物として生じる短鎖カルボン酸類が蓄積してさまざまな症状を呈する疾患群の総称である.代表的な疾患はプロピオン酸血症・メチルマロン酸血症で,典型的には重度の代謝性アシドーシスと高アンモニア血症を主徴とする急性脳症様の症状で発症する.これらを含む7疾患はタンデムマス法による新生児マススクリーニングで発見されるが,全国施行は2013~2014年度以降のことであり,未受検児が急性脳症/低血糖/反復性嘔吐/成長発達遅延/不随意運動などを発症して罹患が判明する可能性がある.マススクリーニング対象外のものも含め,この群の疾患の診断には尿中有機酸分析が最も重要である.
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