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特集 痙縮治療最前線
第3章 多職種連携
回復期リハビリテーション病棟における痙縮のチーム医療
Team-Based Care for Managing Spasticity in Convalescent(Kaifukuki)Rehabilitation Wards
岡本 隆嗣
1
,
渡邊 匠
1
,
上森 奨吾
1
,
玉代 浩章
1
,
松下 信郎
1
,
漆谷 直樹
1
Takatsugu Okamoto
1
,
Takumi Watanabe
1
,
Shogo Uemori
1
,
Hiroaki Tamashiro
1
,
Shinro Matsushita
1
,
Naoki Urushidani
1
1西広島リハビリテーション病院
キーワード:
回復期リハビリテーション病棟
,
チーム医療
,
痙縮
,
評価
Keyword:
回復期リハビリテーション病棟
,
チーム医療
,
痙縮
,
評価
pp.1342-1350
発行日 2024年11月25日
Published Date 2024/11/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr033131342
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内容のポイント Q&A
Q1 痙縮治療の開始期あるいは継続期にどのような医療連携をとるか?
痙縮は発症直後から生じるものではなく,後から出現(発症3カ月後が目安)し,経過とともに悪化することが多い.急性期から亜急性期は機能レベル・活動レベルともに最も改善が認められる時期であり,まずは分離運動の出現による痙縮軽減を目指す.しかし運動麻痺の回復には限界があるため,予後予測も考慮し,痙縮に対する併用療法を早期から検討し,過剰な痙縮が出現しないようにコントロールしながら進めていく.
Q2 痙縮治療に関してどのようにチーム医療で対応するか?
痙縮は機能レベルの障害であるが,麻痺肢の機能レベルの運動だけでなく,代償運動を含む動作能力(活動レベル)にも影響を及ぼす.そのため,上下肢ともに機能・活動レベルそれぞれの評価を定期的に行い,MASが1+以上に亢進してきたら特に注意する必要がある.痙縮マネジメントのためのさまざまな併用療法があるが,侵襲度も考慮して併用療法を選択する.
Q3 痙縮治療へのアクセスとしてどのような多職種連携をとるか?
痙縮に対する併用療法は,患者の生活様式や機能予後を考慮し,痙縮が阻害因子になる身体部位や場面を把握したうえで,使用する併用療法の種類やタイミング,順番を検討する.担当者チーム内や専門的カンファレンスにおいて,退院後を含めた長期的な視点で治療戦略を考えることが重要である.特に下肢装具については,痙縮マネジメントの観点から,入院中だけでなく退院後のフォローアップも重要となる.
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