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特集 痙縮治療最前線
第3章 多職種連携
ボツリヌス療法と医療連携─大学病院の立場から
Medical Cooperation on Botulinum Therapy at University Hospital
川上 途行
1
Michiyuki Kawakami
1
1慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
キーワード:
運動麻痺
,
遠隔リハビリテーション
,
疼痛
Keyword:
運動麻痺
,
遠隔リハビリテーション
,
疼痛
pp.1336-1341
発行日 2024年11月25日
Published Date 2024/11/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr033131336
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内容のポイント Q&A
Q1 大学病院における痙縮治療の特色は?
痙縮そのものの治療に留まらず,運動麻痺へのアプローチを行うことで患者のニーズを満たす.運動麻痺と痙縮の合併率は高く,また,運動麻痺と痙縮の合併が患者の運動機能,生活機能に影響しているケースも多いため,ニューロリハビリテーションに先立ち,ボツリヌス療法による痙縮治療を行うケースがある.
Q2 ボツリヌス療法後のフォロー手法は?
ボツリヌス療法は包括的なケアプログラムの一環であり,投与後はリハビリテーション治療を実施する必要があるが,そのために患者自身への指導,情報提供や地域で行われているリハビリテーションとの連携,情報共有が重要である.遠隔リハビリテーションツールの応用等が検討されている.
Q3 大学病院における痙縮治療の院内連携は?
脳卒中患者,脳性麻痺患者を中心に,リハビリテーション科におけるボツリヌス療法にてコントロールが難しい痙縮重度例において,脳神経外科と連携して髄腔内バクロフェンポンプ療法(ITB療法)の適応を検討している.薬剤投与量の調整の際にリハビリテーション科にて施行される痙縮,運動機能の評価を基に投与量が決定されている.
Q4 顔面領域の不随意運動に関する院内連携の取り組みは?
顔面口腔領域の疼痛に関しては,痛み診療センターがハブとなり,神経障害性疼痛に対する直接的な薬物療法を麻酔科が,不随意運動に関連する疼痛に関してはリハビリテーション科がボツリヌス療法を施行している.歯科・口腔外科にて筋筋膜痛に対するマッサージ,ストレッチの指導を行うケースも多く,院内連携が進んでいる.
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