Japanese
English
特集 脊髄損傷の多角的マネジメント
痙縮
Spasticity in persons with spinal cord injury
八幡 徹太郎
1
Tetsutaro Yahata
1
1金沢大学附属病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kanazawa University Hospital
キーワード:
痙縮
,
脊髄損傷
,
疫学
,
評価
,
治療
Keyword:
痙縮
,
脊髄損傷
,
疫学
,
評価
,
治療
pp.1069-1075
発行日 2022年9月10日
Published Date 2022/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202609
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はじめに
痙縮は,上位運動ニューロン症候群における筋伸張時に現れる脊髄伸張反射の病的亢進であり,速度依存性に増強する特徴がある1).上位中枢から下位運動ニューロンへのコントロールが断たれる脊髄損傷(脊損)では,自覚に乏しいものも含めれば大半の者に認める.脊損者にとって痙縮は,姿勢保持や体重支持に利用するなど日常生活に役立つ場合もあるが,その症状の程度や内容,二次障害によっては脊損者のセルフケア,移動,睡眠などへの弊害(problematic)となり,脊損者の生活の快適性や質を一段と低下させる2).本稿では,新しい文献的知見も踏まえつつ,脊損者における痙縮の疫学や実態,脊損者の痙縮に関する臨床評価スケール,脊損者の痙縮に対する治療を概説する.
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