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内容のポイント Q&A
Q1 病院機能に即した入退院支援で求められるものは?
回復期リハビリテーション(以下,リハ)病棟では,近年の診療報酬改定において急性期治療後のより早期に受け入れをする役割を求められるようになった.対象疾患によって入院の上限期間が異なるが,比較的重度の障害を有し,集中的かつ中・長期間にわたるリハが必要な患者が入院するため,入院初期から多職種による退院支援が求められる.また,自宅復帰率は6~7割程度であるため,居住系施設や介護保険施設への退院支援も重要である.
Q2 入退院支援チームの役割と連携は?
回復期リハ病棟では予後予測に基づく退院後の生活目標を患者・家族の希望も取り入れてチームで共有し,課題解決に向けて多職種で取り組んでいく.その際には病棟専従・専任職種以外に薬剤師・歯科医師・歯科衛生士等も必要に応じてチームに加わり,多角的な視点で生活再開に向けた課題の抽出・解決に取り組む.また退院前には在宅支援チームとの連携・情報共有も活発に行う.
Q3 関係機関との連携・調整は?
予後予測とリハの進捗に応じて退院後の生活状況を想定し,退院後にかかわるケアマネジャーや事業所とは早期から連携を取り,自宅退院が困難な場合では居住系施設や介護保険施設等と連携を取り,円滑な退院後の生活継続につなげていく.特に退院前訪問指導等の際には退院後にかかわる介護支援専門員等に同行を依頼し,実際の場面を共有することでより具体的な連携が図れる.
Q4 特別な支援を要するケースの対応は?
回復期リハ病棟からの退院で特別な支援を要するケースとは,自宅退院で重度の要介護状態にあり家族の介護では対応しきれない場合や,在宅酸素療法や重度の褥瘡等,医療処置が必要な場合等,介護,医療面での継続的な対応が必要な事例等であるが,入院中からかかりつけ医や在宅支援チームと連携を図り,相互の訪問(病院への見学や自宅訓練等)等が求められる.また転院や施設入所が必要なケースも同様に,対応可能な介護・医療ケア等を丁寧に確認することが求められる.
Q5 リハビリテーションチームが係る生活に配慮した支援は?
回復期リハ病棟では,生活の再構築を支援するため入院初期よりその人が暮らす環境を確認する必要がある.そのため回復期リハ病棟に入棟した直後に行う"入院時訪問指導"は,生活空間を把握し具体的な退院後の目標を設定することで入院中に取り組むべきポイントを明確にすることを目的としている.また詳細な家屋情報や病前の活動・参加を踏まえて,入院中から自宅を想定した環境下での生活,リハを実践して,退院後の安全で安心した在宅生活への移行が望まれる.
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