連載 EBN実践につなげる! 栄養疫学研究最新トピックス⑭
CNBQ
-時間栄養学からみた食行動を測るための簡易ツール
村上 健太郎
1
Kentaro Murakami
1
1東京大学大学院 医学系研究科 公共健康医学専攻 社会予防疫学分野
キーワード:
時間栄養学
,
質問票
,
妥当性
,
食事日記
,
食事摂取量
,
食事の質
Keyword:
時間栄養学
,
質問票
,
妥当性
,
食事日記
,
食事摂取量
,
食事の質
pp.400-406
発行日 2026年3月1日
Published Date 2026/3/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn148030400
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背景
概日リズム(24時間ごとに繰り返される体内の1日のリズム)は,視床下部の視交叉上核に存在する主概日時計によって制御されており,日々の睡眠・覚醒リズム,摂食行動,ホルモン分泌を調節している1).これらの概日リズムは,光,ホルモン,食事摂取などの同調因子によって影響を受ける2).このシステムが適切に機能することは,最適な代謝健康を維持するために不可欠である3).
個人の概日リズムは,「クロノタイプ」という,24時間周期における活動と休息の好みで分類される4).早起きを好み,朝に活動的な人は朝型クロノタイプと呼ばれ,一方で遅く起きて夜に活動的な人は夜型クロノタイプと呼ばれる5).同様に,より遅いクロノタイプ(夜型)の人は,食事のタイミングが1日の後半へとずれ,遅い時刻に食事をとり,1日の終わりのほうでより多くのエネルギーを摂取する傾向がある6).
近年,時間生物学と栄養学をつなぎ合わせた新しい学術分野として「時間栄養学(chrononutrition)」が注目を集めている7,8).これは,クロノタイプ,食事の時間的パターンと健康状態との関連を示唆する研究報告が増えているためだ.たとえば,フランスの成人を対象とした前向きコホート研究では,1日の最初の食事が遅い(午前8時以前と比較して午前9時以降)こと,ならびに1日の最後の食事が遅い(午後8時以前と比較して午後9時以降)ことが,心血管疾患リスクの上昇と関連していることが示された9).また,米国の前向きコホート研究では,1日3回の食事を摂取している男性と比較して,1~2回の食事を摂取している男性では,2型糖尿病のリスクが高いことが示されている10).

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