連載 栄養支援に活かす! 行動医学・メンタルヘルス実践アプローチ⑨
食物依存(food addiction)という視点でとらえる肥満症治療
野崎 剛弘
1
Takehiro Nozaki
1
1中村学園大学大学院 栄養科学研究科
pp.391-399
発行日 2026年3月1日
Published Date 2026/3/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn148030391
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はじめに
肥満症は多因子性の慢性疾患であり,第8回で述べたように,減量介入が短期的に成功しても,長期的な体重維持が困難であることが少なくありません.リバウンド要因の一つに心理行動的要因をあげましたが,食事は単なる栄養補給に留まらず,報酬的・快楽的要素をもつために,エネルギーオーバーになる危険を秘めています.とくに甘味品や嗜好品はその要素が高いと言えます.近年,嗜好性の高い食品への強い渇望や制御困難な摂食行動に着目した「食物依存(food addiction:FA)」の概念が,肥満症理解の新たな視点として注目されています1).
本稿では,FAの概念と評価,臨床研究の知見を整理し,栄養支援・行動医学的介入の実践にどのように活かすかを概説します.

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