連載 谷口先生と基礎から学び直す 体液・代謝管理⑦
非日常的な水分補給法:輸液療法を理解する(2)
-細胞内液補充液と膠質輸液の基礎知識
谷口 英喜
1
Hideki Taniguchi
1
1済生会横浜市東部病院 患者支援センター/栄養部
pp.116-122
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn146010116
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前回は,水・電解質輸液の総論を解説し,そのなかでも臨床現場で汎用されている細胞外液補充液を例に,歴史的背景も含めて学びました.細胞外液補充液は,麻酔科医である私も,手術中にもっとも使用している輸液製剤です.一方,今回の連載で学ぶ細胞内液補充液は,手術中には使われず,むしろ術前後に使用されてきました.今回の連載を読み終われば,その理由も理解できるでしょう.今回は,水・電解質輸液(晶質輸液,クリスタロイド)に膠質輸液(コロイド)も加えて,臨床現場での使い分けまで理解できるように解説を進めたいと思います.
ポイント
1.細胞内液補充液は,生理食塩水と5%ブドウ糖液とのカクテルである.
2.細胞内液補充液のなかでは,3号液の理解が最重要.
3.膠質輸液は,循環血液量の増加を目的として使用.
解説をはじめる前に,皆さんが安心できる情報を提供します.それは,細胞内液補充液の3号液を理解すれば,栄養輸液についてまで理解できてしまう,というお話です.これで,ますます早く,細胞内液補充液のことを学びたくなりましたね.
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