特集 緩和ケア実践マニュアル Start Up & Beyond PEACE
Part3 症状別緩和ケアスキルBeyond PEACE
栄養・補液—人工的栄養水分補給
天野 晃滋
1
1大阪市立総合医療センター・緩和医療科
pp.145-147
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200386
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総論
進行がん患者へのANHに関するエビデンス
全てのがん患者への栄養サポートは必須であるが、進行がん患者への人工的栄養水分補給(artificial nutrition and hydration;ANH)に関するエビデンスは乏しい1,2。更に進行がん患者へのANHについては倫理的観点からの検討が重要である3。現時点では、進行がんで死の差し迫った患者にはANHを控えるべきであるが、そうでない場合は緩和ケアセッティングであろうと患者と家族が望むならANHを検討するのが妥当である1。
また死が差し迫った場合でも人工的水分補給(artificial hydration;AH)は個々の患者で検討するのがよい4。ところでANHの手段として静脈栄養と経管栄養があるが、がん患者におけるその優劣については十分なエビデンスがなく判定は困難である5。
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