連載 谷口先生と基礎から学び直す 体液・代謝管理⑧
非日常的な水分補給法:栄養輸液
谷口 英喜
1
Hideki Taniguchi
1
1済生会横浜市東部病院 患者支援センター/栄養部
pp.252-260
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn146020252
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皆さんは,連載第6,7回目で水・電解質輸液を学び,そして,輸液療法の総仕上げが,今回の栄養輸液になります.栄養管理を専門としている皆さんにとっては,栄養輸液をもっとも学びたかったのではないでしょうか.しかし,この連載の順番では,輸液療法のなかでも栄養輸液が最後に位置しています.その理由は,水・電解質輸液をしっかりと理解していれば,栄養輸液の理解は容易になると私が考えているからなのです.
ポイント
1.栄養輸液は細胞内液補充液の3号輸液がベースになっている.
2.栄養輸液の組成を考える際には,非蛋白熱量/窒素比(NPC/N比)を考慮する.
3.栄養輸液は,末梢静脈栄養,完全(中心)静脈栄養,各種栄養素に分類される.
前回の連載でもお伝えしましたように,栄養輸液は,細胞内液補充液の3号液をベースに,各種栄養素を添加した組成になっています.そこは安心できる点かと思いますが,新たな概念として,非蛋白熱量/窒素比を理解する必要があります.本連載で,栄養輸液の考え方をしっかりと身に付けて,明日からの臨床に役立てましょう.
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