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第1土曜特集 ゲノム編集医療――最先端ツールからモデル,創薬,遺伝子治療へ
ゲノム編集治療
血友病に対する遺伝子治療とゲノム編集治療
Gene therapy and gene editing therapy for hemophilia
佐藤 孝弘
1,2
,
大森 司
2,3
Takahiro SATO
1,2
,
Tsukasa OHMORI
2,3
1自治医科大学医学部生化学講座病態生化学部門
2同消化器一般移植外科
3同遺伝子治療研究センター
キーワード:
血友病
,
遺伝子治療
,
アデノ随伴ウイルス(AAV)
,
ゲノム編集治療
Keyword:
血友病
,
遺伝子治療
,
アデノ随伴ウイルス(AAV)
,
ゲノム編集治療
pp.438-444
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292050438
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血友病は,血液凝固第Ⅷ因子(FⅧ)または第Ⅸ因子(FⅨ)の遺伝子異常により生じる先天性の出血性疾患である.繰り返す関節内出血に起因する血友病性関節症を予防するために,重症例では治療薬の定期的な投与を生涯続ける必要がある.そのため,1回の治療で長期の治療効果が得られる遺伝子治療やゲノム編集治療の開発が進んでいる.最近では血友病に対するアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた遺伝子治療薬が欧米で上市された.これは機能的な凝固因子遺伝子を生理的な凝固因子産生部位である肝臓に,ウイルスベクターを用いて送達させる手法である.さらに,ゲノム編集治療や造血幹細胞を標的とした遺伝子治療の開発も進んでいる.これらの遺伝子治療やゲノム編集治療は,血友病患者や難治性遺伝性疾患患者の疾患予後を劇的に改善する可能性がある.
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