Japanese
English
特集 難聴の治療――再生医療から人工聴覚器まで
遺伝性難聴と遺伝子治療の現状
Hereditary hearing loss and cochlear gene therapy
――Current status
吉村 豪兼
1
,
西尾 信哉
2
,
宇佐美 真一
2
Hidekane YOSHIMURA
1
,
Shin-ya NISHIO
2
,
Shin-ichi USAMI
2
1信州大学医学部耳鼻咽喉科
2同人工聴覚器学講座
キーワード:
難聴
,
遺伝学的検査
,
次世代シークエンサー
,
遺伝子治療
,
アデノ随伴ウイルス(AAV)
,
RNA干渉
,
ゲノム編集
Keyword:
難聴
,
遺伝学的検査
,
次世代シークエンサー
,
遺伝子治療
,
アデノ随伴ウイルス(AAV)
,
RNA干渉
,
ゲノム編集
pp.703-708
発行日 2021年2月13日
Published Date 2021/2/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27607703
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遺伝性難聴は先天性,あるいは小児期発症の難聴の原因として最も頻度の高いものである.現在100種類以上の原因遺伝子が報告されており,症状として難聴のみを呈する場合は,正確な診断のための遺伝学的検査が必要不可欠である.2012年より “先天性難聴”,2018年からは遅発性難聴である “若年発症型両側性感音難聴” に対する遺伝学的検査が保険収載され,日常診療において欠かせない検査となっている.現在までに治療法は確立しておらず,補聴器・人工内耳による補聴が行われている状況であり,根治的治療として遺伝子治療の開発が期待されている.遺伝性難聴モデルマウスを用いた動物実験で聴力改善が報告されてきているが,臨床応用されるまでには超えるべきハードルは少なくない.原因遺伝子に基づく個別化医療の実現のため,今後のさらなる研究発展が期待される.
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