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第1土曜特集 五感を科学する――感覚器研究の最前線
視覚
難治性眼疾患に対するin vivo遺伝子治療の最前線
Frontline of in vivo gene therapy for intractable ocular diseases
西口 康二
1
Koji NISHIGUCHI
1
1名古屋大学大学院医学系研究科眼科学教室
キーワード:
遺伝子治療
,
アデノ随伴ウイルス(AAV)
,
ゲノム編集
,
視覚再建
Keyword:
遺伝子治療
,
アデノ随伴ウイルス(AAV)
,
ゲノム編集
,
視覚再建
pp.634-640
発行日 2022年8月6日
Published Date 2022/8/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28206634
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20世紀後半から21世紀にかけて眼科医療が大きく進歩した結果,白内障や網膜・脈絡膜血管疾患など治療できる眼疾患が増え,高齢化が進んだことも相まってわが国の失明の原因疾患の構成が大きく変わった.その結果,いまだに治療法がない希少な遺伝性網膜疾患が失明原因の上位を占めるに至り,その治療開発が世界的にクローズアップされている.そしてついに2019年に,重症な網膜色素変性類縁疾患であるレーバー先天盲に対するアデノ随伴ウイルス(AAV)を用いたin vivo遺伝子治療薬が米国で上市された.現在,欧米を中心に,網膜ジストロフィなどを対象とした類似の遺伝子治療の臨床試験が50件以上進行中である.本稿では,現在の主流であるAAV遺伝子補充療法の臨床試験の最前線を紹介するとともに,今後,in vivo遺伝子治療のあり方を大きく変える可能性があるAAVゲノム編集遺伝子治療の開発の展望ついても考察する.
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