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第1土曜特集 ゲノム編集医療――最先端ツールからモデル,創薬,遺伝子治療へ
ゲノム編集治療
Ex vivo,in vivoゲノム編集治療法開発の動向
Trends in the development of ex vivo and in vivo genome editing therapies
石田 紗恵子
1
Saeko ISHIDA
1
1東京大学医科学研究所実験動物研究施設先進動物ゲノム研究分野
キーワード:
ex vivo
,
in vivo
,
臨床試験
Keyword:
ex vivo
,
in vivo
,
臨床試験
pp.445-450
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292050445
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DNA解析技術やゲノム編集技術の進展により,医学,とりわけ治療法の開発研究に革新がもたらされている.CRISPR-Cas9をはじめとするゲノム編集技術の進化により,患者の細胞を体外で改変して再移植するex vivoゲノム編集治療法と,体内で直接編集を行うin vivoゲノム編集治療法が注目されている.Ex vivoゲノム編集治療では,がん治療で用いられるキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法や,遺伝性血液疾患への応用が進展している.特に鎌状赤血球症では,造血幹細胞に編集を施し,胎児期のヘモグロビン産生を誘導する治療法が成功し,米国食品医薬品局(FDA)に承認された.一方,in vivoゲノム編集治療では,肝臓特異的に遺伝子を編集する技術が進み,ATTRアミロイドーシスや遺伝性血管性浮腫(HAE)などの疾患に対して新たな治療法が開発中である.本稿では,ゲノム編集治療法開発の世界的な動向を紹介する.

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