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第1土曜特集 ゲノム編集医療――最先端ツールからモデル,創薬,遺伝子治療へ
疾患モデル動物研究
iPS細胞を用いたヒト疾患モデルマーモセット作製
Marmoset models for human diseases via iPS cell technology
岸本 恵子
1
,
佐々木 えりか
1
Keiko KISHIMOTO
1
,
Erika SASAKI
1
1実中研マーモセット医学生物学研究部
キーワード:
コモンマーモセット
,
iPS細胞
,
in vitroモデル
,
神経変性疾患
Keyword:
コモンマーモセット
,
iPS細胞
,
in vitroモデル
,
神経変性疾患
pp.414-418
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292050414
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コモンマーモセット(Callithrix jacchus,以下,マーモセット)は,神経科学や免疫学,創薬研究など多岐にわたる分野で重要なモデル生物としての役割を果たしている.特にiPS細胞を用いたヒト疾患モデルの作製において,その可能性が広がっている.マーモセットは小型で繁殖能力が高く,脳構造がヒトに近いため,神経変性疾患の研究においても有用である.近年の研究では,iPS細胞を利用してドパミン作動性ニューロンへの分化に成功し,パーキンソン病モデルの開発も進んでいる.また,アルツハイマー病モデルの開発も進行中であり,これにより疾患の発症メカニズムの解明や新たな治療法の探索が期待されている.今後,キメラ形成能を持つ多能性幹細胞の樹立が期待されており,これにより自閉症などの精神疾患のモデル動物の開発が進む可能性がある.マーモセットを用いた研究は,in vitro研究だけでなく,新たな疾患モデルの作出においても大きな可能性を秘めている.
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