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第5土曜特集 小児医療の最先端
基礎・基盤編
小児疾患患者からのiPS細胞を用いた病態モデルの開発
Development of pediatric disease models using patient-derived iPS cells
阿久津 英憲
1
,
加藤 美里
1
,
萩原 悠介
1,2
Hidenori AKUTSU
1
,
Misato KATO
1
,
Yusuke HAGIWARA
1,2
1国立成育医療研究センター再生医療センター生殖医療研究部
2弘前大学大学院医学研究科消化器外科学講座
キーワード:
iPS細胞
,
腸管オルガノイド
,
希少疾患
Keyword:
iPS細胞
,
腸管オルガノイド
,
希少疾患
pp.345-350
発行日 2022年7月30日
Published Date 2022/7/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28205345
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2007年のヒトiPS細胞樹立の報告1)以降,その翌年には難病患者検体から直接多能性幹細胞を作製する疾患特異的iPS細胞の報告があり2),疾患特異的iPS細胞の作製と疾患研究は世界中で一気に活発化していった.小児疾患の特徴は,その多くが単一遺伝子の変異など遺伝学的特性を有することと,発生・分化に起因する病態を呈することである.そのため,患者検体から直接樹立するiPS細胞は分化誘導系の応用により疾患発症を試験管内で再現でき,小児疾患の病態および創薬研究開発には非常に有用な手段となりうる.特定疾患自体の医学研究が促進されるだけでなく,病態を共有する成人疾患や創薬研究開発が広がりをもって進展していくことも期待される.本稿では,小児疾患に対する疾患iPS細胞研究・応用を概説し,筆者らが実施している小児希少疾患iPS細胞樹立と病態研究への応用について報告する.
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