特集 変わりゆく発生工学の今:核移植クローン・遺伝子改変の技術革新からヒト化実験動物の開発まで
iPS細胞からのマウス作製
島本 廉
1
,
沖田 圭介
1京都大学iPS細胞研究所 初期化機構研究部門
キーワード:
c-myc癌原遺伝子タンパク質
,
細胞系
,
DNAメチル化
,
発生遺伝子発現調節
,
胚性幹細胞
,
エピジェネティックプロセス
,
iPS細胞
,
核の再プログラミング
,
上皮間葉転換
,
Gtl2 Protein
,
TBX3 Protein
,
クローン性
,
多分化能
Keyword:
Cell Line
,
Proto-Oncogene Proteins c-myc
,
DNA Methylation
,
Gene Expression Regulation, Developmental
,
Epigenesis, Genetic
,
Embryonic Stem Cells
,
Epithelial-Mesenchymal Transition
,
Induced Pluripotent Stem Cells
,
Cellular Reprogramming
,
TBX3 Protein, Human
pp.308-313
発行日 2012年2月22日
Published Date 2012/2/22
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
マウスiPS細胞の樹立が2006年に報告されて以来,世界中で活発に研究が進められている.iPS細胞は分化多能性を保持させたまま,ほぼ無限に増殖させることが可能である.また,キメラマウスへの寄与や生殖細胞系列への分化能力も示されており,ES細胞とほぼ同様の性質を持つと考えられている.一方で,ES細胞にはクローン間差が存在することが知られているが,iPS細胞ではそれに加えて,樹立方法や初期化因子,さらには出発材料に依存して細胞の性質に違いが認められると報告されている.また,体細胞から作製できるという利点を生かし,希少動物からのiPS細胞樹立も報告されている.本稿ではiPS細胞研究の最近の知見を紹介する.
Copyright © 2012, Gakken Medical Shujunsha Co., Ltd. All rights reserved.