連載 ユニークな実験動物を用いた医学研究・Vol.8
マーモセット
-――そのユニークな特性と,ヒトとの類似性
井上 貴史
1
,
佐々木 えりか
1
Takashi INOUE
1
,
Erika SASAKI
1
1実験動物中央研究所マーモセット医学生物学研究部
キーワード:
小型
,
繁殖特性
,
社会性
,
ライフサイクル
,
感染症
Keyword:
小型
,
繁殖特性
,
社会性
,
ライフサイクル
,
感染症
pp.824-829
発行日 2021年11月20日
Published Date 2021/11/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27908824
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Summary
新世界ザル類の一種であるコモンマーモセットCallithrix jacchus(マーモセット)は,霊長類としてヒトとの高い類似性を有しながら,ラット程度の体サイズでハンドリングしやすい,双子産で繁殖サイクルが比較的早いため繁殖効率がよい,といった実験動物としての特性をバランスよく持ち合わせている.この特性から,マーモセットはマウスとヒトとのギャップを埋める霊長類の実験動物の一種として,神経科学,感染症,発生・再生分野,創薬など幅広く医学生物学研究において利用されている.とくに,最近ではゲノム編集等による遺伝子改変技術の進展も相まって,脳科学や発生学研究におけるモデル動物としてマーモセットの利用が世界的に増加している.本稿では,医学研究におけるマーモセットのユニークな特性について研究への応用例を交えながら紹介する.
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