特集 明らかになる褐色脂肪組織の機能:今、第三の細胞が目覚める
ヒトiPS細胞からの褐色脂肪細胞の作製
西尾 美和子
1
,
佐伯 久美子
1国立国際医療研究センター研究所 疾患制御研究部
キーワード:
Triglycerides
,
交感神経効果剤
,
細胞分化
,
酸素消費
,
脂質代謝
,
細胞培養技術
,
熱産生
,
メタボリックシンドローム
,
糖代謝
,
胚性幹細胞
,
褐色脂肪細胞
,
iPS細胞
Keyword:
Cell Differentiation
,
Oxygen Consumption
,
Sympathomimetics
,
Triglycerides
,
Cell Culture Techniques
,
Metabolic Syndrome
,
Thermogenesis
,
Adipocytes, Brown
,
Carbohydrate Metabolism
,
Lipid Metabolism
,
Embryonic Stem Cells
,
Induced Pluripotent Stem Cells
pp.783-787
発行日 2013年6月22日
Published Date 2013/6/22
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ヒトiPS細胞およびヒトES細胞から,交感神経作働薬に応答した熱産生能を発揮する“高品質な褐色脂肪細胞”を高純度に作製する技術の開発に成功した.この方法の2つの特長は,遺伝子導入操作を行わない自然な分化誘導系であること,筋芽細胞分化を介した古典的な褐色脂肪細胞(褐色脂肪組織を構成する“本来の”褐色脂肪細胞)を作製する技術であることである.また,作製されたヒトES/iPS由来褐色脂肪細胞がin vivoで脂質代謝および糖代謝を向上することも確認された.本技術は,ヒト褐色脂肪組織の発生メカニズム解析のための研究ツールとしても,さらにメタボリックシンドロームの治療法開発のための研究ツールとしてきわめて有効である.
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