Japanese
English
特集 拡大新生児スクリーニング検査の成果と展望
脊髄性筋萎縮症スクリーニングの実際
Newborn screening for spinal muscular atrophy
佐久間 啓
1
Hiroshi SAKUMA
1
1東京都医学総合研究所脳・神経科学研究分野
キーワード:
脊髄性筋萎縮症(SMA)
,
SMN1遺伝子
,
SMN2遺伝子
,
SMNタンパク質
,
MLPA法
Keyword:
脊髄性筋萎縮症(SMA)
,
SMN1遺伝子
,
SMN2遺伝子
,
SMNタンパク質
,
MLPA法
pp.983-986
発行日 2024年9月14日
Published Date 2024/9/14
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290110983
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
脊髄性筋萎縮症(SMA)は,主にSMN1遺伝子の欠失により脊髄前角運動神経細胞の変性と消失が起こる運動ニューロン病である.重症のⅠ型では生後早期より筋力・筋緊張低下と呼吸不全を呈し,無治療では大部分が2歳までに死亡する予後不良の難病であった.しかし,2017年以降に複数の画期的な治療薬が認可され,SMAは治せる病気へと変貌した.これらの治療薬の効果を最大化するために,遺伝学的手法による新生児スクリーニングが開始されている.具体的方法として,乾燥濾紙血からDNAを抽出し,PCR法を用いてSMN1遺伝子の欠失を検出する.スクリーニング陽性者に対してはMLPA法による確定診断を行うとともに,SMN2遺伝子のコピー数も測定して重症度を予測する.陽性者に対する遺伝カウンセリングやリハビリテーションを含むフォローアップも重要である.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.