今月の主題 筋疾患
話題
脊髄性筋萎縮症
伊藤 万由里
1
,
斎藤 加代子
1
Mayuri ITO
1
,
Kayoko SAITO
1
1東京女子医科大学医学部小児科
キーワード:
SMN遺伝子
,
遺伝子診断
,
SMN蛋白
Keyword:
SMN遺伝子
,
遺伝子診断
,
SMN蛋白
pp.561-564
発行日 2002年5月15日
Published Date 2002/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905108
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1.はじめに
脊髄性筋萎縮症(Spinal muscular atrophy;SMA)は,脊髄前角細胞の変性による筋萎縮と進行性筋力低下を特徴とする常染色体性劣性遺伝の疾患である.SMAは,International SMA Con-sortium1)により発症年齢と臨床経過に基づいて,Ⅰ型(Werdnig-Hoffmann病,重症型),Ⅱ型(中間型),Ⅲ型(Kugelberg-Welander病,軽症型)に分類されている.Ⅰ型は生下時から6か月までの発症で,坐位保持不可能,人工呼吸管理をしなければ,2歳までに100%が亡くなる重症型である.Ⅱ型は1歳6か月までに発症し,起立または歩行が不可能で2歳以上に生存する.Ⅲ型は小児期から成人期に発症,歩行が可能な型である.臨床的重症度はそれぞれの型のなかでも多様である.近年,SMAの原因遺伝子と蛋白質の研究が進み,病態の解明もされつつある.
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