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特集 拡大新生児スクリーニング検査の成果と展望
先天性免疫異常症に対する新生児マススクリーニング検査
Newborn screening programs for inborn errors of immunity
若松 学
1
,
村松 秀城
1
Manabu WAKAMATSU
1
,
Hideki MURAMATSU
1
1名古屋大学大学院医学系研究科小児科学
キーワード:
TREC
,
KREC
,
新生児マススクリーニング検査
,
重症複合免疫不全症(SCID)
,
X連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA)
Keyword:
TREC
,
KREC
,
新生児マススクリーニング検査
,
重症複合免疫不全症(SCID)
,
X連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA)
pp.977-982
発行日 2024年9月14日
Published Date 2024/9/14
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290110977
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重症複合免疫不全症(SCID)は,乳児期早期に重症感染症で発症し,根治的治療である造血細胞移植や遺伝子治療が行われないと生後1年以内に致死的となる先天性免疫異常症(IEI)である.T細胞新生能の指標であるTRECを用いた新生児マススクリーニング検査が多くの国・地域で行われ,その有効性が示されている.また,B細胞新生能の指標であるKRECをTRECと同時に測定している地域も存在する.愛知県では,全国に先駆けてTRECとKRECを測定するSCIDに対する新生児マススクリーニング検査を実施し,これまでに2例のSCIDを同定し,重症感染症を発症する以前の治療介入に有効であった.近い将来,SCIDが公的な新生児マススクリーニング検査の対象疾患として組み込まれ,より多くの患者の命が救われることが期待される.
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