Japanese
English
第1土曜特集 遺伝性神経・筋疾患――診療と研究の最前線
その他の神経・筋疾患の病態・診断・治療法開発
脊髄性筋萎縮症の治療法確立とその先
A new era of spinal muscular atrophy post therapeutic development
佐橋 健太郎
1
,
勝野 雅央
2
Kentaro SAHASHI
1
,
Masahisa KATSUNO
2
1名古屋大学医学部附属病院
2同大学院医学系研究科神経内科学
キーワード:
脊髄性筋萎縮症(SMA)
,
スプライシング
,
アンチセンス核酸(ASO)
,
遺伝子治療
,
低分子化合物
Keyword:
脊髄性筋萎縮症(SMA)
,
スプライシング
,
アンチセンス核酸(ASO)
,
遺伝子治療
,
低分子化合物
pp.1024-1031
発行日 2022年12月3日
Published Date 2022/12/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283101024
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
分子病態の解明途上の疾患においても,科学技術革新により発症や疾患修飾に関連する遺伝子や,RNAとタンパク質といった遺伝子産物への直接的なアプローチを可能とするツールが治療応用されている.脊髄性筋萎縮症(SMA)はsurvival of motor neuron1(SMN1)遺伝子欠失による,全長型SMNタンパク質の欠乏を原因とし,進行性の下位運動ニューロン変性により多くが乳幼児期に発症し,運動・生命予後不良となる遺伝性疾患である.近年,SMAに対してSMNタンパク質発現誘導目的に,アンチセンス核酸(ASO)医薬を筆頭にRNA標的治療および遺伝子治療が開発されている.臨床試験において,特に発症前乳児に対し明確な臨床効果と安全性が示されており,また実臨床においてもSMAでの治療成功が神経変性疾患分野でのロールモデルとなっており,治療法開発を加速させている.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.