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特集 拡大新生児スクリーニング検査の成果と展望
ライソゾーム病の新生児スクリーニングの実際
Newborn screening for lysosomal storage diseases
小林 博司
1
Hiroshi KOBAYASHI
1
1東京慈恵会医科大学総合医科学研究センター遺伝子治療研究部
キーワード:
推奨統一スクリーニング・パネル(RUSP)
,
酵素補充療法(ERT)
,
造血幹細胞移植
,
中枢神経障害
,
精度管理
Keyword:
推奨統一スクリーニング・パネル(RUSP)
,
酵素補充療法(ERT)
,
造血幹細胞移植
,
中枢神経障害
,
精度管理
pp.987-994
発行日 2024年9月14日
Published Date 2024/9/14
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290110987
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ライソゾーム病(LSD)は,ライソゾームに局在する酵素などの機能異常により,基質が蓄積する病態が発現し,全身症状を呈する疾患である.そのなかで頻度が高く重篤な症状を発生する可能性があり,かつ酵素補充療法(ERT)や造血幹細胞移植など現在認可されている治療法のある疾患は,早期発見し,発症前あるいは発症早期に治療することで生命・機能予後の改善につなげることが可能になるため,新生児スクリーニング(NBS)の対象候補となる.近年,わが国でもLSDを含む新規対象候補疾患群に対して,米国の諮問委員会による基準なども踏まえてスコアリングによる評価基準の確立が試みられている.LSDでは現在,ムコ多糖症(MPS),ポンペ(Pompe)病,ファブリー(Fabry)病,ゴーシェ(Gaucher)病のスクリーニングが自治体を中心に有償で行われており,今後,有効性および安全性の向上した新規治療法の開発導入,検査方法の精度管理の整備などに伴い,NBS対象疾患や実施自治体の拡充および公費化が期待される.
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