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第5土曜特集 循環器病学の未来──基本計画から考える循環器病学のグランドデザイン
循環器病におけるゲノム・オミックス研究の将来展望
ブルガダ症候群の突然死リスクを遺伝学的にどう評価するか
How to evaluate the genetic risks of sudden death in Brugada syndrome
蒔田 直昌
1,2
,
石川 泰輔
1
Naomasa MAKITA
1,2
,
Taisuke ISHIKAWA
1
1国立循環器病研究センター 創薬オミックス解析センター
2札幌禎心会病院循環器内科
キーワード:
ブルガダ症候群(BrS)
,
SCN5A
,
臨床的意義が不明なバリアント(VUS)
,
パッチクランプ
,
エクソーム
Keyword:
ブルガダ症候群(BrS)
,
SCN5A
,
臨床的意義が不明なバリアント(VUS)
,
パッチクランプ
,
エクソーム
pp.1211-1216
発行日 2022年12月31日
Published Date 2022/12/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283141211
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ブルガダ症候群(BrS)の予後予測に,心筋Naチャネルαサブユニット遺伝子(SCN5A)などの関連遺伝子の変異情報が有用かどうかを解明するために,日本人BrS患者415人で同定されたSCN5A変異55個のうち,臨床的意義が不明なバリアント(VUS)22個をパッチクランプで機能解析し,機能低下型(LOF)変異と非LOF変異に分類した.LOF-SCN5Aキャリア群(n=45)はnon-LOF-SCN5Aキャリア群(n=15)に比べ伝導障害が強く,致死性不整脈イベント(LAE)の年間発生率が高かった.LAEの予測因子はLOF-SCN5A変異とLAEの既往のみであった.また,SCN5A陰性BrSの全エクソンシークエンスから,SCN5A以外のレアバリアントはLAEの発生率に影響を与えないことが判明した.以上から,LOF-SCN5A変異はBrSにおける強力な突然死の遺伝的リスクであり,SCN5Aのin vitro機能評価はVUSの病原性分類とLAEのリスク層別化を可能にする重要な解析手法である.
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