Japanese
English
第5土曜特集 循環器病学の未来──基本計画から考える循環器病学のグランドデザイン
循環器病におけるゲノム・オミックス研究の将来展望
拡張型心筋症の遺伝子バリアントは心不全の発症に関与するか?
Effects of dilated cardiomyopathy gene variants on the development of heart failure
朝野 仁裕
1
Yoshihiro ASANO
1
1国立循環器病研究センターゲノム医療部門ゲノム医療支援部,同メディカルゲノムセンター,同バイオバンク
キーワード:
拡張型心筋症(DCM)
,
病原性バリアント
,
effect size
Keyword:
拡張型心筋症(DCM)
,
病原性バリアント
,
effect size
pp.1203-1209
発行日 2022年12月31日
Published Date 2022/12/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283141203
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
拡張型心筋症(DCM)の多様な遺伝学的構造を明らかにする取り組みは,日々進化している.重症心不全を発症し,治療抵抗性の場合,デバイス・移植医療の検討を余儀なくされるものもあり,心不全発症という表現型もその時期,重症化の程度にそれぞれ特徴を有する場合がある.遺伝要因が強く,浸透率の高いバリアントなどメンデル遺伝に従う単一遺伝病(モノジェニック)だけでなく,近年は複数の遺伝子の関与によるもの(オリゴジェニック)や環境要因を含む多因子により発症するものまで,さまざまな様式が報告されている.DCMの候補遺伝子リスト数は最近のものでも50を超えており,重症度の多様性を説明する遺伝要因と環境要因の関与の仕方を慎重に検討しながら病原性バリアントの同定に努めなければならない.したがってバリアントを評価する基準や,各遺伝子にその評価法の取り扱いのルールを作成して対応するなど,さまざまな取り組みが世界的にも行われている.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.