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第5土曜特集 循環器病学の未来──基本計画から考える循環器病学のグランドデザイン
循環器病におけるゲノム・オミックス研究の将来展望
肥大型心筋症のゲノム解析結果をどう活かすか
Clinical significance and implementation of genetic testing in hypertrophic cardiomyopathy
久保 亨
1
Toru KUBO
1
1高知大学医学部老年病・循環器内科学
キーワード:
肥大型心筋症(HCM)
,
遺伝学的検査
,
家族内スクリーニング
,
精密医療
Keyword:
肥大型心筋症(HCM)
,
遺伝学的検査
,
家族内スクリーニング
,
精密医療
pp.1197-1202
発行日 2022年12月31日
Published Date 2022/12/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283141197
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肥大型心筋症(HCM)の遺伝子診断は,家族内スクリーニングによる早期診断や二次性心筋症の鑑別に有用であることが報告されており,またサルコメア遺伝子に病的バリアントを有している患者は病的バリアントの同定されない患者よりも予後が不良であることが示されている.2022年4月に本症の遺伝学的検査が保険収載されたが,わが国の実臨床においてゲノム情報はほとんど活用されていない.これにはいくつかの理由が存在し,それらのいくつかの課題は次世代シークエンサーの利用で解決する一方で,同定されたバリアントの病原性検討の重要性が増してきている.本症の遺伝子情報を活用した精密医療を推進していくためには,臨床情報にリンクした遺伝子解析結果の収集と日本人既報バリアントに対しての病原性判定作業を行い,日本人バリアントのデータベース構築が必要である.
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