特集 臓器損傷治療の工夫
【総論】
小児腹部実質臓器損傷の臨床的特徴
長野 綾香
1
,
杉田 光士郎
1
,
川野 孝文
1
,
春松 敏夫
1
,
田畑 有弥子
1
,
祁答院 千寛
1
,
鶴野 雄大
1
,
村上 雅一
1
,
矢野 圭輔
1
,
大西 峻
1
,
家入 里志
1
Ayaka Nagano
1
,
Koshiro Sugita
1
,
Takafumi Kawano
1
,
Toshio Harumatsu
1
,
Yumiko Tabata
1
,
Chihiro Kedoin
1
,
Yudai Tsuruno
1
,
Masakazu Murakami
1
,
Keisuke Yano
1
,
Shun Onishi
1
,
Satoshi Ieiri
1
1鹿児島大学学術研究院医歯学域医学系小児外科学分野
pp.109-112
発行日 2025年2月25日
Published Date 2025/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001082
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はじめに
外傷は小児における死因の大多数を占め,小児外傷の約25%において腹部外傷をきたす1)。小児の腹腔内は実質臓器の容積率が高いことに加え,胸郭や肋骨弓が未発達であるため外力を受けやすいといった解剖学的特徴から,実質臓器損傷をきたしやすいとされているが2),小児腹部実質臓器損傷に対する明確なガイドラインなどはいまだ確立されていない。本稿では,南九州エリアの小児外傷診療を担う2施設における小児腹部実質臓器損傷の臨床的特徴3)について,若干の文献的考察を加えて報告する。

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