特集 再手術の戦略と実際
肝移植:移植後合併症と再手術
小川 絵里
1
,
岡島 英明
2
,
山本 美紀
1
,
上林 エレーナ幸江
1
,
岡本 竜弥
1
,
波多野 悦朗
1
Eri Ogawa
1
,
Hideaki Okajima
2
,
Miki Yamamoto
1
,
Elena Yukie Uebayashi
1
,
Tatsuya Okamoto
1
,
Etsuro Hatano
1
1京都大学肝胆膵・移植外科/小児外科
2金沢医科大学小児外科
pp.734-737
発行日 2024年7月25日
Published Date 2024/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000890
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はじめに
わが国では,1989年に島根医科大学で第1例目の小児肝移植が行われ,以来35年の年月が経過し,現在では脳死生体併せて3,000例以上の肝移植が施行されている1)。この第1例目は術後合併症により再手術が繰り返され,残念ながら死亡した。その後も,肝移植においては,出血,穿孔,胆道合併症,血管合併症などにより早期に再手術を必要とする症例は少なくなく,予後に影響を及ぼしてきた。しかしながら近年,日本肝移植学会の報告によると小児生体肝移植の1年生存率は90%を超えるまでに向上してきている1)。
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