特集 今日の小児肝移植
小児肝移植後の再移植
岡島 英明
1,3
,
園田 真理
2
,
川島 真由美
3
,
小川 絵里
3
,
岡本 竜弥
3
,
波多野 悦朗
3
Hideaki Okajima
1,3
,
Mari Sonoda
2
,
Mayumi Kawashima
3
,
Eri Ogawa
3
,
Tatsuya Okamoto
3
,
Etsuro Hatano
3
1金沢医科大学小児外科
2医学研究所北野病院小児外科
3京都大学肝胆膵・移植外科/小児外科
pp.674-678
発行日 2023年6月25日
Published Date 2023/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000491
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はじめに
わが国で1989年に島根医科大学にて最初の小児肝移植が施行されて以来30年以上が経過している。肝移植周術期管理ならびに医学的・社会的マネージメントの進歩に伴い肝移植後長期生存症例が増加している一方で,ある一定の頻度で再移植や再々移植を要する症例がみられている。再移植症例においては単に肝不全症状のみならず,初回移植後からの免疫抑制療法に伴う感染症や全身の他臓器の機能低下といった全身状態の悪化,移植手術の術後癒着や血管再建などにおける手術手技の煩雑化,初回移植で最もよい条件のドナーからの肝臓が用いられていることが多く,2回目の移植においてはそのドナー以外で選択を行うことを余儀なくされる,といった要因により初回移植に比べてリスクが高く,予後不良とされていたが,近年では改善傾向がみられている1)。
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