特集 門脈血行異常に対する治療up to date
先天性門脈体循環シャントに対する肝移植術
岡本 竜弥
1
,
山本 美紀
1
,
上林 エレーナ幸江
1
,
小川 絵里
1
,
岡島 英明
2
,
波多野 悦朗
1
Tatsuya Okamoto
1
,
Miki Yamamoto
1
,
Yukie Elena Uebayashi
1
,
Eri Ogawa
1
,
Hideaki Okajima
2
,
Etsuro Hatano
1
1京都大学外科(肝胆膵・移植外科/小児外科)
2金沢医科大学小児外科
pp.513-517
発行日 2024年5月25日
Published Date 2024/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000824
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はじめに
先天性門脈大循環シャント(congenital portsystemic shunt:CPSS)は,門脈と体循環との間の先天的なシャントを通じて門脈血が直接体循環に流入し,高ガラクトース血症や低血糖,高アンモニア血症などの代謝異常,あるいは肝肺症候群(hepatopulmonary syndrome:HPS)や門脈肺高血圧症(portopulmonary hypertension:PPHTN)などを合併する1)。保存的もしくは内科的治療で改善しない,あるいは増悪する症例に対しては外科的加療が検討され,特に有症状の代謝異常やPPHTNを合併する症例については,肝移植が考慮されるが2,3),その適応については他稿で詳述されているので参照されたい。
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