特集 喉頭・気管病変 治療の工夫と予後
声門下囊胞の治療戦略
大西 峻
1
,
連 利博
1,2
,
武藤 充
1
,
岩元 祐実子
1
,
緒方 将人
1
,
高田 倫
1
,
祁答院 千寛
1
,
村上 雅一
1
,
杉田 光士郎
1
,
春松 敏夫
1
,
川野 孝文
1
,
家入 里志
1
Shun Onishi
1
,
Toshihiro Muraji
1,2
,
Mitsuru Muto
1
,
Yumiko Iwamoto
1
,
Masato Ogata
1
,
Lynne Takada
1
,
Chihiro Kedoin
1
,
Masakazu Murakami
1
,
Koshiro Sugita
1
,
Toshio Harumatsu
1
,
Takafumi Kawano
1
,
Satoshi Ieiri
1
1鹿児島大学学術研究院医歯学域医学系小児外科学分野
2霧島市立医師会医療センター小児外科
pp.1055-1059
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000600
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はじめに
声門下囊胞は1968年にWiggerらによって初めて報告された疾患であり1),原因としては,気管内挿管に伴う声門下腔の粘膜損傷の治癒過程で発生する粘液貯留と考えられている1,2)。早産児に多く,近年の周産期医療の拡充による新生児集中治療室(NICU)の普及に伴い,気管内挿管により呼吸管理される新生児が増加しているため,声門下囊胞の発生率は上昇していると報告されているが3),わが国における報告は少なく,治療方針は確立していない。初期症状は遅発性の吸気性喘鳴,無呼吸,経口摂取困難,嗄声,異常咳嗽などさまざまであり,上気道炎などの際に重症化して呼吸不全に陥ることがあるため,早期診断・治療が重要である。
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