特集 喉頭・気管病変 治療の工夫と予後
声門下腔狭窄症に対するpartial cricotracheal resection(PCTR)手術と長期予後
津川 二郎
1
,
吉村 翔平
1
,
辻 恵未
1
,
服部 健吾
1
,
西島 栄治
1
Jiro Tsugawa
1
,
Shohei Yoshimura
1
,
Emi Tsuji
1
,
Kengo Hattori
1
,
Eiji Nishijima
1
1愛仁会高槻病院小児外科
pp.1060-1064
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000602
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はじめに
声門下腔狭窄症(以下本症)は,生理的に最も狭く,全周性に軟骨輪を有する輪状軟骨部の狭窄で,喉頭と気管にかかる特殊な領域の疾患である。本症には先天性と後天性とがあり,多くは気管挿管による人工呼吸器管理を受けたあとに抜管困難症として発症する後天性である。本症の多くの症例では,最初の治療として気管切開術による気道確保が行われ,気管切開管理により気道症状が改善すると,長年にわたり経過観察となることが多い。本症の治療は,狭窄の程度や範囲,患者の状態に基づき治療時期や手術術式を考えなければならない複雑性がある。われわれは,重度の狭窄病変に対する喉頭気管再建手術として喉頭気管部分切除・甲状軟骨気管吻合術(partial cricotracheal resection:PCTR)を第一選択として行っている。
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