特集 喉頭・気管病変 治療の工夫と予後
皮弁形成による喉頭気管分離術の利点
矢本 真也
1
,
三宅 啓
1
,
野村 明芳
1
,
大林 樹真
1
,
菅井 佑
1
,
根本 悠里
1
,
津久井 崇文
1
,
山城 優太郎
1
,
福本 弘二
1
Masaya Yamoto
1
,
Hiromu Miyake
1
,
Akiyoshi Nomura
1
,
Juma Obayashi
1
,
Yu Sugai
1
,
Yuri Nemoto
1
,
Takafumi Tsukui
1
,
Yutaro Yamashiro
1
,
Koji Fukumoto
1
1静岡県立こども病院小児外科
pp.1047-1051
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000598
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はじめに
喉頭気管分離術は,重症心身障碍児や喉頭機能不全患児が誤嚥性肺炎を繰り返す場合に行われる術式である。そのような患児には他に喉頭閉鎖術,喉頭全摘術といった誤嚥防止術も選択肢に入ってくるが,多くの施設では喉頭気管分離術が行われており,小児外科医にとっても馴染みのある手術となっている。喉頭気管分離術は,気管食道吻合術を行う術式が原法である1)。われわれは以前,喉頭気管分離・気管食道吻合術を行っていたが,現在は気管腕頭動脈瘻の発生頻度を低下させるために,気管の偏位が起こりにくい皮弁を用いた術式2)を行っている。しかしながら,口側気管閉鎖部の漏れや,気管皮膚瘻を解消すべく,術式の変遷を経て,喉頭閉鎖に準じた口側気管閉鎖術を併用するようになった。
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