特集 急性虫垂炎:診断,治療,研究
複雑性虫垂炎の緊急手術
田井中 貴久
1
,
城田 千代栄
1
,
住田 亙
1
,
横田 一樹
1
,
牧田 智
1
,
岡本 眞宗
2
,
小梛 地洋
2
,
長島 俊介
2
,
檜 顕成
1
,
内田 広夫
1
Takahisa Tainaka
1
,
Chiyoe Shirota
1
,
Wataru Sumida
1
,
Kazuki Yokota
1
,
Satoshi Makita
1
,
Masamune Okamoto
2
,
Chihiro Onagi
2
,
Shunsuke Nagashima
2
,
Akinari Hinoki
1
,
Hiroo Uchida
1
1名古屋大学大学院医学系研究科小児外科学
2東邦大学医療センター大森病院小児外科
pp.751-754
発行日 2023年7月25日
Published Date 2023/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000514
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はじめに
小児における虫垂炎は,緊急手術を必要とする最も多い消化管疾患であり,約30%が穿孔を伴っている1)。炎症の程度によって単純性と複雑性に分類され,複雑性虫垂炎は一般に膿瘍形成や穿孔を伴うものが含まれるが,「小児急性虫垂炎診療ガイドライン」においては「組織学的診断では壊疽性虫垂炎に相当し,腫瘤形成性の有無や汎発性腹膜炎合併の有無は問わない」とされている2)。単純性虫垂炎については,同ガイドラインでは保存的治療の選択は有効な手段とされている。一方,複雑性虫垂炎には腫瘤形成性や汎発性腹膜炎などが含まれるため,緊急手術あるいは待機手術のどちらを選択するかは個々の症例の状況によって判断する。
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