特集 急性虫垂炎:診断,治療,研究
小児急性虫垂炎患者における切除虫垂内細菌培養と直腸部便細菌培養に関する検討―一般細菌培養検査でわかること―
向井 亘
1,4
,
花木 祥二朗
2,4
,
采原 隆志
3
,
宮田 豪
1
,
高田 知佳
1,4
,
浮田 明見
1,4
,
人見 浩介
1,4
,
高橋 雄介
1,4
,
中原 康雄
1,4
,
後藤 隆文
1,4
,
青山 興司
1,4
Wataru Mukai
1,4
,
Shojiro Hanaki
2,4
,
Takashi Unehara
3
,
Go Miyata
1
,
Chika Takada
1,4
,
Asami Ukida
1,4
,
Kohsuke Hitomi
1,4
,
Yusuke Takahashi
1,4
,
Yasuo Nakahara
1,4
,
Takafumi Goto
1,4
,
Koji Aoyama
1,4
1国立病院機構岡山医療センター小児外科
2大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院小児外科
3国立病院機構岡山医療センター臨床検査科
4中国四国小児外科医療支援機構
pp.746-750
発行日 2023年7月25日
Published Date 2023/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000513
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Ⅰ.目 的
小児急性虫垂炎は日常の小児外科診療で遭遇する一般的な疾患である。緊急手術で対応する場合が多いが,患児や家族が手術を希望しない場合や,膿瘍形成を認める症例には保存的治療も選択肢となりうる。治療を行うにあたり,起炎菌の情報は治療の根幹をなす重要な情報であり,外科的・保存的治療に関わらず可及的に入手に努める必要がある。これまでの報告では虫垂の細菌叢や起炎菌を腹水と併せて検討したものが多く,虫垂内容の採取や腹水,膿瘍穿刺などの外科的処置を行わない患児では起炎菌の情報が得られなかった。一方,直腸内の便培養の採取は非侵襲的であり容易である。
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